トヨタ「“新”ランドクルーザー」発表に問合せ殺到! 「全然買えない状態」は変わらず… 豪華「フラッグシップモデル」を待てずに中古車購入した事例も? 最新状況はどうなのか
トヨタはフラッグシップSUV「ランドクルーザー300」の一部改良を実施しました。早速販売店には多数の問い合わせが入っているようです。
機能向上で進化も…まだ買えないのか
トヨタは2025年3月24日、フラッグシップSUV「ランドクルーザー300(ランクル300)」に法規対応等一部改良を行ったモデルの販売を開始しました。
販売の現場にはどのような声が寄せられているのでしょうか。トヨタディーラーに問い合わせてみました。

「ランドクルーザー」(ランクル)シリーズは、1951年デビューの「BJ型ジープ」に端を発する本格四輪駆動車です。並外れた信頼性や悪路走破性能から、4WD車の代名詞として支持され、世界170以上の国と地域で展開されています。
現行型のランドクルーザー300は2021年6月10日に登場。2007年登場の「200系」の後継モデルとして、14年振りにフルモデルチェンジを遂げました。
TNGA GA-Fプラットフォーム採用による素性の刷新をはじめ、新開発のV型6気筒ツインターボエンジン(3.5リッターガソリンおよび3.3リッターディーゼル)を搭載し、クラストップレベルの動力性能とドライバビリティの実現を図っています。
さらに、新開発の10速ATの採用ならびにボディの軽量化の相乗効果もあって、先代モデルと比較して10%ほど燃費が向上しているのもトピックです。
また、先進運転支援「トヨタセーフティセンス(TSS)」やコネクテッド機能の搭載や、最新の電子制御による悪路性能のアップなど、世界のフラッグシップSUVとして正統進化を遂げたのです。
2025年3月24日、一部改良が’実施され、衝突被害軽減ブレーキ機能(プリクラッシュセーフティの対自転車運転者)の強化やイベントデータレコーダー、サイバーセキュリティ、路上走行時の排出ガス規制(RDE)への対応(ディーゼルエンジン車)などが行われました。
また、トヨタ車では初となる「マイカー始動ロック(アプリの操作で車両の始動をロック可能。車両を使用しない時間帯のセキュリティを向上)」や、スマートキー所持者の位置を高精度に認識する「スマートキー測距システム」、指紋認証スタートスイッチを全グレードに標準設定するなど、盗難防止機能の拡充にも配慮がなされました。
車両本体価格(消費税込)は525万2500円から813万6700円となっています。
陸の王者と称されるランドクルーザー、なかでも300系はフラッグシップモデルとして高い人気を誇ります。ただし、2021年の発売から現在まで、受注停止状態が継続しているということも事実です。
販売の現場にはどのような声が届いているのでしょうか。首都圏のトヨタディーラーに聞いてみました。
「ランクル300の一部改良の報道が出たこともあり、すでにお待ちいただいているお客様から『納期はいつ頃になるのか』あるいは『一部改良後のモデルが買えるのか』といったお問い合わせが増えています。
最近でこそ少し落ち着きましたが、3月下旬から4月上旬にかけては1日数件のお問い合わせがありましたね。
ランクル300に限らず、多くのモデルの納車時期が延びていたり、なかには未定になるモデルも少なくないということをご存知の方が増えてきたため、それほど混乱は起こっていません
それだけに、年単位でお待ちいただいているお客様の皆さまには申し訳ない気持ちでいっぱいです」
また、別のトヨタディーラーではこのようなコメントをいただきました。
「ランクル300が納車されるまでの間のいわゆる『つなぎ』として、高年式の輸入車の中古車を手に入れ、乗ってみようというお客様がいらっしゃいました。
『もともと国産車好きなんだけど、いい機会だから外車のSUVも試してみる』ということで、メルセデス・ベンツ『Gクラス』の中古車をお買い求めになったそうです。
ひとつ気がかりなのは、そのまま輸入車の方へ流れていってしまわないか、ですね。
Gクラスもそうですが、それぞれのメーカーごとに『色』がありますし、『こちらの方がいい』と輸入車好きになってしまわれたら…と思うこともありますね」
ランクル300には、先述したメルセデス・ベンツ「Gクラス」をはじめ、ランドローバー「レンジローバー」など、さまざまなライバル車が存在します。
とはいえ、ランクル300の信頼性の高さや極めて高いリセールバリューの高さ、そして「国産最高峰」という事実はほかに代えがたい魅力です。
しかし、トヨタの公式サイトでは、依然「引き続き、ご注文をいただき、ご納車をお待ちいただいているお客様の車両を優先的に生産させていただくため、ご注文を停止させていただいております。」とのお詫び文が記載。
どんなに魅力的なクルマであっても「数年先まで待てない」といった方もいる状態は、2021年から変わっていません。
「日本国内におきましても、多くのお客様にご納車をお待ちいただいている中ではございますが、最大限生産のうえ、少しでも早くお届けできるよう尽力して参ります。」との記載がありますが、少しでもこの「最大限生産」のペースが早まることを祈るばかりです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。
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