渋滞地獄で「トイレ我慢」はもう限界!子どもが高速道を走る事態も!? 法律上の問題は? 解決策はある?
ゴールデンウィーク中の高速道路で注意したいのは、渋滞中の「トイレ問題」です。その際にはたびたび、高速道路を歩いてSA・PAのトイレに向かう人もみられますが、法律上問題はないのでしょうか。記事では元警察官の筆者が問題点や対策を解説しています。
SNS上では「子どもがSAに向かって走っていた」、「トイレのため高速道路を歩いた」などの声も!
ゴールデンウィーク期間中は高速道路が渋滞する傾向にありますが、そこで困るのが「トイレ問題」です。
大渋滞の際にはたびたび、高速道路を歩いてSA・PAのトイレに向かう人もみられますが、法律上問題はないのでしょうか。

ゴールデンウィーク中は旅行や帰省などのためクルマで遠方に出かける人が多く、高速道路では長い渋滞ができることも予想されます。
大渋滞の際、クルマのドライバーや同乗者が注意したいのは、渋滞によってなかなかトイレに行くことができない「トイレ問題」です。
SNS上においては、渋滞時の様子について「トイレが間に合わず、高速道路を歩いてPAに向かう人が多数」との目撃情報のほか「渋滞で我慢できなかったのか、子どもが高速道路上をSAに向かって走っていた」、「トイレのため、数百メートル高速道路を歩いた」などの声が寄せられました。
このように渋滞の距離・時間が長くなるとトイレを我慢できず、高速道路を歩いて移動する人も散見されます。
トイレは我慢が難しい一方、高速道路を歩く行為には危険がともないます。では、このような行為は法令上問題となるのでしょうか。
結論から言うと、原則として高速道路は法令によって歩行者の通行が禁止されており、高速道路を歩くと法令に抵触するものとみられます。
たとえば高速自動車国道法第17条第1項には次のように規定し、歩行者の立入りを禁止しています。
「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」
加えて道路法第48条の11においても「何人もみだりに自動車専用道路に立ち入り、又は自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない」と定めています。
これらの規定により、高速道路や自動車専用道路においては歩行者や自転車、排気量が125cc以下の自動二輪車などは通行できません。
何より、高速道路を歩いて通行する行為は交通事故を誘発するおそれがあるほか、渋滞が動き出して他の車両にはねられるといった危険もあります。
また仮に1人で運転していたドライバーがトイレに行くためクルマを放置すると、さらなる渋滞の原因につながるおそれも考えられます。
たとえトイレに行きたい場合であっても、高速道路を歩く行為はやめるべきといえるでしょう。
とはいえ、当事者にとってトイレに行けないことは死活問題ともいえる事態であり、事前に何らかの対策をとっておくことが重要です。
その対策のひとつとして、携帯用トイレをクルマに常備しておくことが挙げられます。
SNS上においては「子どもたちのトイレが心配だから携帯用トイレ持ってきた」、「マジで常備した方が良いよ」といった声が上がっており、実際にクルマに積載している人も少なくありません。
携帯用トイレは高速道路の渋滞時だけでなく、災害発生時にも非常に役立つアイテムであるため、家族分を用意しておいても良いでしょう。
さらに渋滞にできるだけ巻き込まれないよう、高速道路の渋滞情報をよく確認しておくことも大切です。
公益財団法人日本道路交通情報センターやNEXCOなどのウェブサイトではリアルタイムの交通情報、渋滞予測などを公表していることから、渋滞するルートを避けたり出発時間を変更したりして渋滞を避ける工夫も重要といえます。
そのほか、高速道路のトイレ問題に関しては「コーヒーや緑茶といった利尿作用のある飲み物を飲まない」、「水分の摂取量に気をつける」といった意見も聞かれました。
なお麦茶やミネラルウォーターなどはカフェインが含まれていないため、長時間移動の際の飲み物に適しているといえるでしょう。
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高速道路でクルマから降りて歩く行為は事故につながるおそれがあり、法令上でも禁止されています。
ゴールデンウィーク期間中は高速道路の渋滞が予想されるため、トイレ問題が心配な場合は家族で話し合い、事前にあらゆる対策をとっておきましょう。
車の渋滞に備えて、「簡易トイレ」を用意するのは常識ですぞ。何も便器を車に積んでおけと言ってるのではないよ。「簡易トイレ」という細長い袋状になったおしっこができるのが売ってるよ。これの中にはおしっこをゼリー状に固める粉が入っていて、すぐにゼリー状になる。自分はこれを用意してある。