凄い完成度の「“軽”スープラ」に再注目! “ホンモノ”のフロントバンパー&ワンオフ外装で“ワイスピ”風にカスタム! NATSの学生が手掛けた「コペン ローブ」ベースの「C91 SUPRA」とは?
2026年1月に開催されたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2026」で公開された日本自動車大学校(NATS)の学生が製作した「C91 SUPRA」について解説します。
公道走行も視野にいれた卒業製作
例年、年明け1月に開催される「東京オートサロン」。2026年も国内外から集まった最新のカスタムカーやコンセプトカーで会場が埋め尽くされましたが、日本自動車大学校(NATS)の学生たちが製作したクルマが、多くの来場者の注目を集めていました。
学生ならではの自由な発想と、それを形にする確かな技術力が融合したブースの中でも、特に来場者の視線を集めていたのが、NATS成田校カスタマイズ科による「C91スパイダー」です。
このクルマは、軽自動車のダイハツ「コペン ローブ」をベースに、人気ハリウッド映画「ワイルド・スピード」シリーズに登場するトヨタ「スープラ」をモチーフにしています。「小さくても本物感のあるスープラ」というコンセプトを見事に具現化した一台に、多くの人々が思わず足を止めて見入っていました。
製作を担当した学生によると、今回は2台を同時に製作したため、10人のメンバーが5人ずつのチームに分かれて作業を進めたそうです。しかし、「どちらかが忙しくなると全員でフォローし合いながら進めていました」と語るように、チーム一丸となって取り組んだ様子がうかがえます。
外観で最も苦労したのは、軽自動車とスポーツカーの大きなサイズ差をいかに自然に見せるかという点でした。フロントバンパーにはスープラの純正品を使用していますが、ベース車両に合わせるため「中央と両端を合わせて約20cm短縮加工しました。どこを切って、どう繋げれば純正らしく見えるかを考えるのが一番大変でした」と、その苦労を語ります。

ボンネットやフェンダーもすべてワンオフで製作されています。「ボンネット中央はコペン純正を使い、サイドのラインはスープラを意識しています」とのことで、両車のデザインを巧みに融合させています。
また、オーバーフェンダーは「まず発泡ウレタンで形を作り、それをFRPで成形しました。軽量化と自由な造形を両立させるためです」と、素材選びから計算された工程となっているようです。
リアセクションにも妥協はありません。オーバーフェンダーはフロントと同様の手法で製作し、リアバンパーとテールランプにはスープラの純正部品が流用されています。
さらに、「ウイングはKUHLさんに協賛していただいたもので、下回りのライトも映画仕様を意識しています」と、細部に至るまで映画の世界観を忠実に再現しようとする強いこだわりが感じられます。
その情熱は内装にも注がれています。「映画に登場するスープラは内装が青なんです。このコペンはもともと赤内装だったので、すべて張り替えました」と、インテリア空間も映画のイメージに一新。スパルコ製のステアリングや、劇中に登場する大きなタコメーターの再現、さらには見えない部分であるNOSの搭載など、乗り込んだ瞬間の感動を演出するための工夫が凝らされています。
走行性能の向上も図られており、GReddy製のインタークーラーやテイクオフ製のブローオフバルブ「プッシュンRSS」が装着されています。「今後はD-SPORTさんのECUも導入したい」と、今後のチューニングにも意欲的です。
実はこのC91スパイダーは、過去に製作され「東京オートサロン2020」で展示された「A90スパイダー」へのオマージュとして誕生したモデルです。会場では2台が並べて展示され、新旧の作品を見比べることができました。
しかし、A90スパイダーは当時の姿のままではありませんでした。「前回はドアなどが鉄板製で重かったのですが、今回はすべてFRPで作り直して軽量化しました」と学生は説明します。5年の歳月で傷んだ部分も多く、塗装を含めて全面的にリフレッシュが施されていました。
さらに、「A90スパイダーはもともとウイングが黒だったのですが、C91スパイダーと統一感を出すため、2台ともシルバーに塗り直しました。映画でもウイングはシルバーだったので、そこに寄せています」と、2台を並べた際の完成度と映画の再現性を高めるための改良が加えられていたのです。過去の作品に再び手を入れ、完成度を追求する姿勢から、学生たちの本気度が伝わってきます。
これらのクルマが、公道走行を前提とした卒業製作である点も特筆すべきです。「オートサロン終了後は公道を走れるように手直しします」との言葉通り、展示のために下げられた車高も、装着されたエアサスによって走行時には適切な高さに調整できる設計になっています。
若者のクルマ離れが課題とされる現代において、憧れの映画のクルマを現実的なサイズとコストで本気で作り上げたC91スパイダーは、学生たちからの一つの答えと言えるでしょう。その一台は、東京オートサロン2026の会場で、確かな輝きを放っていました。
Writer: くるまのニュース編集部
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