車止めに「ドカン」! タイヤ“ブチ当て”駐車 やりがちだけど「NG」ってホント? 知らずに続けると大変なことに… 大胆不敵な「激しい駐車」がクルマに悪影響を与えるワケ
駐車場では、クルマ止めに当たるまでクルマを後退(前進)させるのが基本ですが、クルマ止めにタイヤを「ドーン」と強く押し付けすぎることは、クルマを傷つける行為となります。雑な扱いによって起こる「危険性」について紹介します。
雑すぎる駐車方法は「リスク」しかない!
多くの駐車場では、壁面への衝突を避けるために「車止め」が設置されています。タイヤが車止めに当たるまで後退(もしくは前進)するのが基本ですが、勢いよく「ドーン」と強く押し当ててしまうのは良くありません。
同様に、路肩の縁石へ乗り上げて駐停車するようなシチュエーションもありますが、ここでもやはり目に見えない「リスク」が潜んでいます。どのような問題があるのでしょうか。
![勢いよく「ドーン」と停めたら「ダメー!」[イメージ画像:AdobeStock]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/04/20250415_Traffic_Accident_Trouble_AdobeStock_774705208_000.jpg?v=1744706742)
車止めや縁石の乗り上げで良くあるトラブルが、「クルマがまっすぐ走らなくなる」というトラブルです。
これは、車止めに勢いよく当たったり、縁石に乗り上げた衝撃で、ホイールアライメント(車軸に対するタイヤホイールの取り付け角度や位置関係)がズレてしまうことに起因します。
ホイールアライメントの狂いにより、ハンドルを保持していてもまっすぐ走らず、左右に流れていってしまう状態になります。
このような状態になってしまうと、今度はタイヤが偏摩耗する原因にもなります。
また車止めに強く押し付けた状態が続くと、タイヤを介してサスペンションのブッシュ系(樹脂部品)にストレスをかけてしまい、タイヤ本体の変形のほか、アライメントがズレることにもなってしまいます。
さらに、ホイールが変形してしまうリスクもあります。
衝撃はタイヤが吸収してくれるように思いますが、タイヤが吸収できる衝撃以上の衝撃が加わると、そのダメージはホイールに到達します。
ホイールが変形してしまうとタイヤの空気が抜けやすくなり、高速走行時にタイヤから異常振動が発生したり、最悪の場合はタイヤが破裂するバーストなどが起こりかねず、大変危険な状態に。
一度乗り上げただけではこうした状態にはならないかもしれませんが、日常的にこうしたダメージが蓄積されることで、クルマは知らず知らずのうちに劣化していき、あるとき思いがけない故障をしてしまう、ということに繋がってしまうのです。
特に、最近の高級スポーツSUVなどにも多く採用される低偏平率タイヤ+大径ホイールの場合は、特に注意が必要です。
低偏平タイヤでは、中央分離帯の反射板(キャッツアイ)を勢いよく踏んでしまっただけでも、タイヤのサイドウォールがつぶれ切ってしまい、カーカスコード(タイヤのサイド形状を支える基材)が損傷する「ピンチカット」が発生してしまう可能性があります。
サイドウォールの1ヶ所がポコリと膨らんでしまったなど異常な状況を発見したら、ただちにクルマを走らせることをやめて、ロードサービスなどに連絡するようにしてください。
※ ※ ※
駐車場の車止めを乗り越えてしまい、その先の壁や建物、ほかの駐車車両などに突っ込んでしまうという事故が時々発生します。
通常では考えにくいですが、車止めに当たった強い衝撃に驚いてパニックに陥り、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまうという最悪の事態が想定されます。
乗り上げないように注意することはもちろんですが、クルマを良い状態で保つためにも、駐車時はクルマ止めにまずゆっくりと当てたあと、少しだけ前進(または後退)して、クルマ止めから離すようにしておくと良いでしょう。
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