「めちゃ…待ってました!」 やっと「トヨタ・クラウン」が勢揃い! クロスオーバー/スポーツ/セダン/エステート、同じクラウンでも全然違う! 徹底解説!【試乗記】
王道セダンここにあり! ショーファーカーとなる「セダン」とは? 初代セルシオの感動が蘇るレベル!?
そんなスポーツの対極にあるのが、理性/基盤と最もフォーマルなキャラクターの「セダン」です。
パーソナルにもビジネスにも応える「ニューフォーマル」に挑戦したモデルで、16代目の中では唯一となる縦置置きFRベースとなるモデルです。
エクステリアはオーソドックスな3BOXではなく水平基調&クーペライクなプロポーションでとにかく伸びやかな印象。
インテリアは他の3台と同じインパネデザインを採用するも、細部の仕立てはより高品質、高精度に仕上げられています。
後席は3000mmのロングホイールベースを活かした足元広々な空間とおもてなし装備が魅力。前席よりも高めのシートポジションも相まって想像している以上に開放感は高いと思います。
パワートレインはクラウン初となるFCEVを設定。静かで滑らか、そして力強さは言わずもがな、電動車ならではのレスポンスの良さやピッチングを抑えた車両姿勢も相まって、2トン近い車両重量を感じさせない動力性能を持つ。
静粛性はGA-Lの高剛性ボディに加えて入念な吸引・遮音・防音対策なども相まって、初代セルシオの感動が蘇るレベルです。
HEVは2.5L+THSIIと4ATを組み合わせたマルチステージハイブリッドを搭載。
THSIIよりも電動車感が強いフィーリングに加えてTHSIIらしからぬダイレクト感が高いメリハリある走りを備えていますが、EV→HEV切り替えに一瞬あるモタツキ、エンジン始動時に乗員に「ブルン」と伝わる振動、更には回生時のATのシフトショックなど、スムーズさに欠けるのは残念な所です。
フットワークはFRレイアウトの旨味を活かし、「よりスッキリ」、「よりスムーズ」、「より素直な」な走りが印象的。サスペンションは16代目の中でも最もソフトな設定だと思いますが、姿勢変化やロールは抑えられた安定したコーナリングが可能。
この辺りは基本素性(低重心、ワイドトレッド、前後重量配分に優れる)の良さが効いているはずです。

乗り心地は路面へのアタリ、足の動き、ショックの吸収性など全てにおいて「優しい」の一言です。
凹凸を乗員に伝えないと言う観点では、センチュリーを除くトヨタ車の中で最良、いやレクサスを含めてもトップに位置すると思います。
20インチ仕様は45タイヤ装着とは思えない入力の優しさと無駄な動きを抑えたバネ上のフラット感の見事なバランス、19インチ仕様は「エアサス付き?」と錯覚するレベルで、ストロークでショックを吸収する足さばきはクラウンの伝統を色濃く受け継いでいます。
ただ、GA-Lの難点の1つである凹凸が続く路面を走行した時にリアがブルっと来る横揺れ(恐らくバンプステアが原因)が残ってしまうのは残念な所です。
とは言え、ショーファーニーズにも対応する居住性と静粛性、そして快適性の高さは、歴代クラウンで例えるなら、「ロイヤル」の個性をより際立たせたモデルと言えるでしょう。






































