あなたの車も監視対象に! “速度違反じゃなくても”捕まる「謎カメラ」の正体とは? オービスと見間違える罠…「Nシステム」が担う“犯罪捜査のヒミツ”ってなに?

道路の上部に設置されている小さな機械は、速度違反自動取締装置(オービス)の場合もあれば、「Nシステム」と呼ばれる別の目的を持つ機械の場合もあります。多くのドライバーがオービスと混同しがちなNシステムとは、どのような装置なのでしょうか。

カメラの狙いは“速度”?それとも“ナンバー”?

 道路を運転していると、高速道路や一般道の上部にカメラのような機械が設置されているのを見かけます。

 多くのドライバーは、これを速度違反を取り締まるオービスだと勘違いし、急減速することがあります。

 しかし、こうした機械がすべてオービスとは限らず、外見が似ている「Nシステム」という別の装置も存在します。

 両者は見た目が似ていますが、役割や機能は大きく異なります。

オービスとは異なる「Nシステム」の役割とは?
オービスとは異なる「Nシステム」の役割とは?

 Nシステムの正式名称は「自動車ナンバー自動読取システム」です。

 この装置は、通過する車両のナンバープレートを自動で読み取り、警察のデータベースに登録された手配車両と照合します。

 自動車盗難や犯罪に使われた車両の位置を特定し、犯人検挙に役立てるのが主な目的です。

 また、行方不明者の捜索にも活用されます。名前の「N」は「Number(ナンバー)」の頭文字に由来します。

 2015年の国会資料によると、警察庁が1511式、都道府県が179式、合計1690式が全国に設置されており、1都道府県あたり平均約36式となります。

 設置場所は公表されていませんが、交通量の多い幹線道路や県境、空港付近に多いとされています。

 一方、オービスは「速度違反自動取締装置」と呼ばれ、制限速度を超えた車両を検知し、ナンバーとドライバーを撮影して記録します。

 特に上部に設置される「固定式オービス」は、交通事故や死亡事故が多い高速道路や国道に重点的に配備されています。

 Nシステムとオービスはどちらもカメラ型の装置ですが、見分けるポイントがあります。

 固定式オービスはNシステムより大型で、発光装置(ストロボ)を備えているため複数の機械がセットで設置されることが多いです。

 一方、Nシステムは赤外線カメラを使用し、発光装置はありません。

 また、オービスが設置された道路では、数キロ手前に「自動速度取締機設置路線」などの予告看板があります。

 これはドライバーのプライバシー保護のための措置です。

 しかし、Nシステムにはこうした看板がないため、看板がない場合はNシステムの可能性が高いです。

 オービスは速度超過時に赤や白の光を発しますが、Nシステムは赤外線を使うため肉眼では光りません。

 ただし、ドライブレコーダーには赤外線が映ることがあります。

 さらに、類似するシステムとして近年では国土交通省が管理する「ナンバー自動読取装置」も導入されています。

 これは車検切れ車両を検出するもので、ナンバーを撮影してデータベースと照合し、違反があれば警察官が取り締まります。

 この技術は物流倉庫や駐車場の入退場管理にも応用され、効率化やコスト削減に貢献しています。

 Nシステムやオービスとは用途が異なりますが、基本的な仕組みは似ています。

 Nシステムは犯罪捜査に、オービスは速度違反の取り締まりに特化しており、それぞれ異なる目的で運用されます。

 物流や駐車場管理でも同様の技術が使われ、2024年問題のような運送業の課題解決にも寄与しています。

 道路上のカメラを見て急ブレーキをかけるドライバーもいますが、これは追突事故のリスクを高めます。

 日頃から法定速度を守り、安全運転を心がけることが何より大切です。

【画像】「えっ…!」 これが道路上にある「謎のカメラ」です(22枚)

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