ガソリンスタンドで「給油できない」のなぜ? ガソリン販売の驚愕規制…“ルール厳格化”の背景とは? どうしても“入れたい時”に「守るべき事項」は?

ガソリンに関する規制により、自走するクルマ以外への給油は禁止されています。どうしてもガソリン携行缶に給油したい場合は、どうすれば良いのでしょうか。

ガソリン携行缶での販売ルールとは?

 セルフ式のガソリンスタンドでは、ドライバーが自分でクルマに給油することができます。
 
 ただし、セルフスタンドではガソリン携行缶に給油することは禁止されています。

日常的に利用するガソリンスタンドも場合によっては給油NGな場合がある!
日常的に利用するガソリンスタンドも場合によっては給油NGな場合がある!

 好きな容器にガソリンを入れることができた昔と比べ、ガソリンの容器販売や給油にまつわる規制が厳しくなっています。

 現在セルフ式ガソリンスタンドで給油が許可されているのは、ナンバープレートがついたクルマと2輪車に限定されています。

 自走できないクルマや携行缶への給油は禁止されています。

 ガソリン販売に関する規制が強化された背景には、ガソリンの特異な性質に加えて、本来の用途と異なる使用による事件があります。

 まず大前提として、ガソリンは「危険物」に該当します。

 ガソリンはマイナス40度の環境でも気化する性質を持っており、常温では蒸気が発生します。

 携行缶と離れた場所にあるライターの火や静電気など、小さな火源が爆発的な燃焼を起こすきっかけになります。

 2019年7月、京都府京都市伏見区で爆発を伴う火災が発生しました。

 また最近では、2024年11月に北海道札幌市中央区の繁華街で火災が発生。

 いずれの事件でも、現場付近でガソリンの携行缶が見つかりました。

 甚大な被害をもたらした京都市での火災を受け、2019年12月に「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令」が交付され、2020年2月から改正消防法が施行されました。

 ガソリンを容器に詰め替える際には、運転免許証やマイナンバーカードなどによる本人確認、使用目的の確認、そして販売記録の作成が義務付けられました。

 さらに、給油する容器に関しても制限が設けられています。

 まず、灯油用ポリ容器での給油は禁止されています。

 性能試験に合格し「試験確認済証」のシールが貼付された22リットル以下の金属製容器、または規準に適合した10リットル以下の樹脂製容器を用意する必要があります。

 運搬できる量については、基本的には乗用車の場合で22リットル以下と規定されています。

 ガソリン販売の規制が強化されていくなか、本人確認や使用目的確認の義務化が始まったあとも、携行缶への給油は禁止されているわけではありません。

 携行缶への詰め替えについて、ガソリンスタンド1店舗が1日に販売できる量の上限は200リットル未満と決められています。

 厳格な制限によって、容器での販売を廃止するガソリンスタンドも多くなっており、容器に詰め替えての購入はますます厳しくなっているのが実情です。

 ただ、農作業機器や発電機の燃料として必要な場合など、やむを得ずガソリンを運搬するケースも存在します。ガソリンを携行缶で買いたい場合はどうすれば良いのでしょうか。

 自主的な保安基準により、詰め替え販売を受け付けていないスタンドも多く存在します。そのため、事前に店舗への問い合わせを行うのが確実といえそうです。

 また、セルフスタンドでは、安全規準に適合した携行缶であっても自分で給油することは認められていないため、必ず従業員を呼ぶ必要があります。

 ガソリン携行缶は長期的な保管を想定していません。直射日光が当たらず通気性が良い環境、かつ火気のない場所で保管のうえ、早めに使い切るようにしましょう。

 携行缶の廃棄については、ガソリンスタンドへの持ち込みや産業廃棄物処理業者への委託などの方法があります。

※ ※ ※

 自走するクルマ以外への給油は原則禁止されており、ガソリン携行缶への詰め替え販売を取り扱う店舗も少なくなってきています。

 ガソリンの取り扱いに関するルールは年々厳格化されており、好きなポリタンクに給油できた昔の常識は通用しなくなっています。

 最新の情報にアップデートし、ガソリンスタンドのルールを遵守することが大切です。

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