原付免許で乗れる!? 新型「スーパーカブ110」登場! 気軽に乗れる「次世代の原付」としてホンダが“見据える未来”の「Lite」とは
排気量110ccながら原付免許で運転可能な「スーパーカブ110 Lite」が「第52回 東京モーターサイクルショー」にサプライズ登場しました。一体どのようなバイクなのでしょうか?
110ccなのに「原付免許」で乗れるカブ!?
2025年3月28日から30日まで、国内最大級のモーターサイクルイベント「第52回 東京モーターサイクルショー」が東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催されました。
国内外の主要バイクメーカーが最新モデルやコンセプトモデルを展示するなか、ホンダが参考出品した「スーパーカブ110 Lite」に多くの来場者が注目をしました。

ホンダが事前に発表していた出展概要にはラインナップされていなかったスーパーカブ110Liteは、サプライズと言える形でブースに展示されていました。
最大の特徴は、排気量110ccでありながら、「原付免許」で乗ることができる「新基準原付」だといいます。
新基準原付とは、2025年4月1日から施行される改正道路交通法施行規則により導入された、新たな原動機付自転車の区分です。この新基準では、総排気量125cc以下で最高出力が4kW(5.4ps)以下の二輪車が該当し、従来の原付免許や普通自動車免許で運転が可能となります。
この変更の背景には、2025年11月以降に適用される厳格な排出ガス規制があります。従来の50cc以下の原付一種では、この新たな規制をクリアすることが技術的に困難であり、開発コストも高騰するため、多くのメーカーが生産継続を断念する見込みです。
新基準原付の導入により、原付免許で運転できる車両の排気量が50cc以下から125cc以下へと拡大されますが、最高出力が4キロワット以下に制限される点が特徴です。ただし、交通ルールに関しては従来の原付一種と同様で、最高速度30km/h、二段階右折の義務、二人乗り禁止などが適用されます。
そんな新制度に対応するため、ホンダは長年親しまれてきたスーパーカブ50の役割を引き継ぐモデルの開発に着手。その第一弾として公開されたのが、現行スーパーカブ110をベースにした「110Lite」です。
見た目は従来のスーパーカブ110と大きな違いはなく、丸目のヘッドライトやシンプルなボディライン、レッグシールドなどはそのままです。エンジン出力は新基準に合わせて4kW(5.4ps)以下に制限される予定で、展示車には安全装備として前輪にはABSが搭載。足回りはキャストホイールに刷新され、日常の扱いやすさと走行時の安定性が高められています。
展示スタッフは「デザイン面はスーパーカブらしさを損なわないように仕上げています。新しさより“いつものカブ”であることが大事でした。詳細なスペックなどは今後の発表をお待ちください」と語っていました。
また、スピードメーターはスーパーカブ110の140km/hスケールから専用の60km/hスケールへ変更されています。視認性にも配慮され、一目で知りたい情報を把握できる設計です。さらに、フロントに「Super Cub Lite」の新ステッカーを装着し、シンプルで親しみやすい印象に仕上げられています。
ブースで行われたカンファレンスに登壇した、ホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博代表取締役社長は、「スーパーカブ50の生産終了後、多くのお客様から“なくなるのが残念だ”という声をいただきました。そうした声は、原付一種というカテゴリに対する社会的ニーズの表れだと受け止めています。
日本の暮らしに根付いたスーパーカブの精神を、新たな制度のもとでも継承していきたいという想いから、今回のスーパーカブ110 Liteを開発しました。出力を制限しつつも、カブ本来の使いやすさや信頼性はしっかり確保しています」とその狙いを明かしました。
また、スクータータイプの新基準原付モデルの開発も進行中とのことで、「正式な発表まで今しばらく時間をいただきたい」ともコメント。今後、カブ以外の車種でも新制度に対応したモデル展開が予定されていることが伺えました。
ホンダは、「スーパーカブ50ファイナルエディション」を2025年10月まで生産する予定です。これにより、新基準原付の「スーパーカブ110 Lite」はその生産終了後に本格的な投入が始まると見られます。
スーパーカブは誕生以来、日本だけでなく世界中で「日常の足」として愛され続けてきました。新基準に対応したこの“Lite”モデルが、再び多くの人々の生活を支える存在となるのか、今後の発表と市販化の動向に注目が集まります。
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ホンダは2025年4月4日から6日まで開催される「第4回 名古屋モーターサイクルショー2025」にも出展することが発表されています。
事前情報には「スーパーカブ110 Lite」は記載されていませんが、今回のケースのようにサプライズで展示される可能性があります。
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