ホンダアクセスの「実効空力」ってなに? 「N-BOX」や「ハイエース」でも“走り”が変わるって本当!? 「日常速度」でも“違いアリ”な「スゴい仕組み」を体感!
“走る壁”な「ハイエース」で実効空力は実感できる?
また今回のワークショップでは、愛車を持ち込んでの実効空力の体験もできました。
編集部では、いちばん効果が分かりやすそうだという単純な理由で、社用車の商用1BOXバン トヨタ「ハイエース」で参加しています。
ハイエースは荷物を運ぶクルマなので、荷室のスペースは最大限まで拡張されているぶん、ボディはほぼ四角。その姿はさながら「壁」が走っているといった状況で、当然ながら、高速道路では風にあおられてふらつき、「空力が悪い」という言い方ができます。
先出のホンダアクセスOBの福田氏によると、ハイエースは「どこからも風を受けやすいボディ形状」だといい、効果をチェックするにはもってこいです。

試乗コースは、スタートしてすぐに定常円旋回。その後おだやかな左コーナーを抜け、スピードバンプのような段差を乗り越えてゴールです。
一般道を走る想定として概ね40km/h程度。定常円旋回はややスピードが高めですが、タイヤがスキールするほどレベルではありません。
まずは、何も付けない状態で普通に走ってみます。定常円旋回はなんとか回れるといった状態で、遠心力にしたがってアンダーステア傾向になるため、ステアリングの切り増しして無理やり曲げてやらないとダメでした。
では、シェブロンの実効空力パーツを各部に取り付けて試してみます。実効空力パーツは、取り付ける場所や数を変えて何パターンも実験し、繰り返し検証を行いました。

まず最も効果があったのはルーフの前寄り中央、後ろ寄り中央にそれぞれ2個づけしたものでした。旋回時、明らかにロール量が減っています。
これは福田氏からアドバイスを受けたもので、大きな面積のルーフで整流効果がみられたということになります。
次に効果があったのはフロントバンパーコーナーでした。もともとシンプルなデザインとなっているハイエースのバンパーには、市販のカスタムパーツとしてバンパーのカナードスポイラーなどが多数用意されています。
さらに、ホンダアクセスの手がけるコンプリートカーシリーズ「Modulo X」でも、「エアロフィン」としてバンパーコーナーに整流のための「ひれ」形状を持たせているので、おそらく効果が出現するのではないかと睨んだのです。
やはり旋回時はフロントだけでなくボディサイドにも風を受けているようで、これをうまく流すことで旋回性が向上。定常円旋回でスピードを上げても、ステアリングを切り増す量が明らかに減りました。
これ以外にも、クオーター部(テールランプにはもともとエアロフィン形状が純正で採用されている)やルーフエンドにも装着するなど、複数のパターンを試してみました。
もちろん効果が強く現れたものや、かえって逆効果になってしまったものもありました。しかし、むしろ非常に小さく薄い実効空力パーツでも、それぞれで純正との違いを十分感じられたことは驚きです。
ほんのわずかに見えるパーツでも、愛車のハンドリングや安定性が上がれば、普段の走行でも安心感やドライビングの楽しさを感じられる「実効空力」の理論。
今後のホンダアクセスによるパーツ展開も、ますます期待が高まります。
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