ホンダアクセスの「実効空力」ってなに? 「N-BOX」や「ハイエース」でも“走り”が変わるって本当!? 「日常速度」でも“違いアリ”な「スゴい仕組み」を体感!

「N-BOX」の走りも変わる!? ふしぎな「ギザギザ」パーツがスゴい

 まずは、ホンダの再量販車種で販売台数ランキングでは国内トップを誇る軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」(先代モデル)を試乗します。

 試乗は2パターンで、最初は純正そのままの状態、次にルーフエンドに簡易的な実効空力パーツを装着した状態で乗り比べてみました。

低速でも走りの違いを実感!
低速でも走りの違いを実感!

 実効空力パーツは、長さ300mm程度×幅50mm程度×厚さ5mm程度の薄いパネルで、後端が正三角形を複数連続させたシェブロン(鋸歯)形状となっています。これが走行風による乱流(空気のうず)を小さくし、安定性を増加させるようです。

 実際に乗ってみると、わずか40km/hほどの走行で十分実感することができます。

 特に、円を描くように走行する定常円旋回では、実効空力パーツ無しではふらつきが抑えられず、ステアリングを「切り増し」するなど舵角が一定にならない感触がありましたが、リアの安定性が増えたように感じ、一定の舵角でスッと旋回ができました。

 さらに定常円旋回から直線、直線から左コーナーへと走行する際も、クルマがロール(傾く動き)してから戻る一連の動きが全体的にスムーズになり、ブレーキングも4輪が接地している感触がありました。

 サーキットでタイヤのスキール音(路面との抵抗で音が鳴く状態)を立てて限界走行しているわけではないのにも関わらず、やはり日常の速度域で実効空力パーツの効果はあるようです。

 ホンダアクセスOBの福田 正剛氏はこの一連の動きの変化について、以下のように話しています。

「コーナー出口の行きたいところにクルマが向いてくれれば、『これで行けるんだ』という先読みができます。

 全く切り増さなくていいというわけではありませんが、リアが安定するとステアリングの(どれくらい切るかの)予測がつきやすくなります」

 また、ふらつきが抑えられて安定性が増すことで、当然リアシートでも車酔いの低減にもつながりそうだと実感します。

 短い試乗であったものの、これが長距離や高速道路を走行した場合、疲労の違いも出てきそうで、結果として安全にも直結してくるでしょう。

 続いて、5ドアスポーツハッチバックの「シビック e:HEV」(マイナーモデルチェンジ前)を乗り比べます。

 シビックは、ホンダアクセスが設定している「テールゲートスポイラー」の従来タイプと、マイナーチェンジで設定された「テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)」のみが違う2台を用意。

 ウイングタイプはスポイラーの裏側にシェブロン形状を施し、全体的なスタイリングもスポーティさを増した仕様です。

 なおテールゲートスポイラー以外は全く共通で、サスペンションはおろか、アルミホイール、履いているタイヤの銘柄までも同一としています。

 この従来タイプでも、もともとのシビックの走りはよく、Modulo開発アドバイザーを務め、テールゲートスポイラーの開発に携わったレーシングドライバー 土屋 圭市氏も「(そのままで)全然いいよ!」と話しています。

シェブロン形状にすることで「リアの接地」に変化
シェブロン形状にすることで「リアの接地」に変化

 定常円旋回では、ステアリング切り始めた瞬間からすでに大きな違いがありました。従来タイプでも十分回頭性がよい印象を受けますが、ウイングタイプではさらに「鼻先から曲がっていく」印象が強まりました。

 試しにスピードを体感で2割ほど上げても、破綻したりタイヤがスキールすることなく、軽々と曲がっていくのには驚きます。

 土屋 圭市氏もさきほどの従来タイプと比べ、「全然こっちのほうがいい。頭が入っていく」と話します。

 どのような狙いがあるのか、ホンダアクセスのModulo(モデューロ)完成車性能担当 湯沢 峰司氏に聞いてみました。

「雪道と一緒で、コーナリング中に後ろがプア(な動き)になったらスピンしそうで怖くなります。その反対にアンダーステア(ステアリングを切っても遠心力方向が強く働き、膨らんでしまう現象)も怖いです。

 それをなくすために、ステアリングを切ったあとリアタイヤを接地させ、4つのタイヤがしっかりグリップできるようにしています」

 必ずしも限界走行でなくても、リアが安定していれば恐怖感がなくなり、安心してドライビングできるとともに、旋回性が増すと走る楽しさも高まることがわかります。

【画像】「えっ…」 これが「実効空力」の効果です! 画像で見る(30枚以上)

【走りにこだわる最新SUV】極限状態で徹底テストしてみた!

画像ギャラリー

1 2 3

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー