トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】

3列シートにする発想も? エステートに与えられた「個性」とは

ーーちなみに歴代モデルを振り返ると、ラゲッジルームに簡易版ながら3列シートが用意されていましたが、今回は採用していませんね。

 本間:ここはかなり悩んだ部分です。クラウンは「上質」「洗練」「余裕」という3つの重要なキーワードがありますが、この全長で3列を用意すると“余裕”が担保できません。

 そこは2列に割り切って、後席を余裕を持って使っていただく…という考えを選びました。

「クラウンエステート」製品企画担当の本間裕二氏
「クラウンエステート」製品企画担当の本間裕二氏

ーー走りの方向性はクロスオーバーを基準に、スポーツはその名に恥じないハンドリング、セダンは「センチュリー」に迫る快適性が特徴になっていますが、エステートにはどのような個性がプラスされているのでしょうか。

 本間:「大人のアクティブキャビン」として、「長距離移動でも快適に、疲れずに移動ができ、旅先に着いてからも思いっきり楽しめる」ができる走りを目指しました。

 具体的には直進安定性と快適性にこだわった味付けを行いました。言葉でいうのは簡単ですが、セットアップはかなり悩みました。

 直進が得意なクルマになればなるほど、曲がるのが苦手です。それだと走りは楽しくありませんので、“匠”の片山(智之氏)と相談しながら、サスペンションのセットアップはもちろん、DRS(ダイナミック・リア・ステアリング=後輪操舵)や、EPS(電動パワーステアリング)の作り込みを入念に行っています。

 ちなみにEPSのセットアップは、真っすぐ走る気持ち良さと曲がる気持ち良さの両立のために、30回以上やり直しました。

「クラウンエステート」チーフエンジニアの清水竜太郎氏
「クラウンエステート」チーフエンジニアの清水竜太郎氏

 要するにエステートの走りは、クラウンシリーズの中で最もグランドツアラー的なキャラクターが与えられているというわけなのです。

 清水:それに加えて、我々は「スパイラルアップ活動」と呼んでいますが、クロスオーバーが最初に出て、スポーツ、セダンと作り込んできました。やはり開発が進むと、ブランドの理解や味付けの仕方が“こなれる”所があるのも事実です。

 そこでエステートでは3つの車系で得た知見も存分に盛り込んでいます。

ーーではエステートは後発がゆえに、シリーズの中で完成度が高いというわけですね。

 清水:現時点では“YES”ですが、今後クロスオーバーの改良時には、今度はエステートの開発を含めた知見がフィードバックされます。

 つまり「最新のクラウンが最良のクラウン」と言うわけです。

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