トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
北米仕様の「シグニア」 日本仕様の「エステート」 それぞれの由来
ーー16代目はグローバルで展開を行っていますが、北米ではクラウンエステートではなく、「クラウンシグニア」と呼ばれていますね。
本間:英語圏では「エステート=貴族」で、ネガティブワードに分類されるので、北米側と相談して「聞きやすい」「呼びやすい」などを踏まえたアイデアを元に決めました。
ちなみにシグニアはインシグニア(記章/勲章)が元となる造語になります。

ーー歴代モデルを振り返るとステーションワゴンタイプは、カスタム、ワゴン、ステーションワゴン、エステートと様々なネーミングでしたが、そのなかからエステートを選んだ理由は何でしょう。
ワゴンとSUVの融合という新たな挑戦をしているので、新たなネーミングでもいいと思いましたが…。
本間:販売現場では「エステート神話」が大きく、以前から待望論を声としていただいていましたので、復活させるからにはある程度馴染みのネーミングが良いという考えによるものなのです。
ただ、ネーミングは踏襲しますが、ただのワゴンじゃないよと。
クラウン全体が若返り? どんなユーザーを想定しているのか
ーー16代目はユーザーの若返り(を図ること)もミッションの一つですが、エステートはどのようなお客様を想定しているのでしょうか。
清水:もちろん若い世代やこれまでクラウンに振り向きもしなかった輸入車層にも選んでもらえると嬉しいですが、実は16代目の各モデルも嬉しい想定外が起きている状況です。
例えば、若いユーザーを狙ったスポーツがシニア層に響いていたり、逆に歴代クラウンユーザー向け(として用意したはず)のセダンを、若い人が「セダンがカッコいい!」と選んでくれています。
そういう意味では幅広い世代がクラウンを“自分事”として見てくれていると思っています。

※ ※ ※
本来はもう少し早いタイミング(2023年度内)で登場する予定でしたが、認証不正問題があったことから、1年以上遅れて今のタイミングにずれ込んでしまいました。
ただし、個人的には待っていただけの価値、そして魅力がある一台だと思っています。
2025年は「クラウン生誕70年」という記念すべき年ですが、そんな節目に16代目クラウンシリーズが完成。これも運命だったのでしょう。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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