22年モデルチェンジせず!? 三菱の「“クラシック”すぎる高級セダン」がスゴかった! 超カッコいい「カクカク」デザインに「走るシーラカンス」の異名も? 初代「デボネア」とは
「走るシーラカンス」との異名も持つ三菱の初代「デボネア」とは、いったいどのようなクルマだったのでしょうか。歴代モデルとともに振り返ります。
アメ車を思わせるカクカクデザインがカッコいい!
クルマにも、人と同じように「年齢不詳」なモデルが存在します。
かつて三菱が販売していた初代「デボネア」は、実際の年式より古く見える「クラシックカー」のようなクルマでした。

1964年、三菱(当時は「三菱重工業」)は、自社初の高級セダンとして初代デボネアを発表しました。
開発当時、日本の高級車市場はトヨタ「クラウン」や日産「セドリック」などが主な勢力でしたが、これに対抗すべく米国ゼネラル・モータース(GM)出身のハンス・S・ブレッツナー氏がデザインを担当。アメリカ車を思わせる角張ったスタイルと堂々たるフロントマスクを採用し、存在感を示しました。
ボディサイズは全長4670mm×全幅1690mm×全高1465mm。初期型に搭載されたエンジンは、最高出力109PSを発生する2.0リッター直列6気筒OHVガソリンエンジンで、トランスミッションはコラム式の4速MTまたは3速AT。駆動方式はFR(後輪駆動)を採用していました。
1970年のマイナーチェンジで、最高出力を130PSにアップした2.0リッター直列6気筒SOHCエンジンに変更。
1973年の2度目のマイナーチェンジでは、フロントドアの三角窓の廃止、テールランプのデザイン変更、フロントウインカー位置の変更といった近代化を図る改良が行われましたが、基本的な外観自体は変わらないものでした。
またこのマイナーチェンジ以外で大きなデザイン変更が行われることはありませんでした。
1976年の3度目のマイナーチェンジを受けた後期型では、2.6リッター直列4気筒SOHCエンジンに拡大されています。大排気量の直列4気筒はなかなか珍しいエンジンといえるでしょう。
1980年代に入ると、ライバル車はおろか大衆車もモダンなデザインになっていく中、デボネアは旧態依然として、外観や機構がほぼ変わらずに長期間生産され、古色蒼然とした現行モデルとなってしまったことから、当時「走るシーラカンス」という異名を取りました。
しかし逆にそのクラシカルなスタイルから、一部の愛好家には支持されることになりました。
1986年、ようやく初めてのフルモデルチェンジが行われ、2代目「デボネアV」が登場しました。
デザインは直線的でシャープな印象となり、ボディサイズも全長4690-4865mm×全幅1695ー1725mm×全高1425ー1440mmと大型化されました。
駆動方式はFRからFFに変更し、2.0リッターと3.0リッターの新開発V型6気筒エンジンを搭載。室内空間の拡大と快適性の向上が図られています。
1992年には3代目が登場し、曲線を多用した流麗なデザインが特徴となりました。
全長4975-5125mm×全幅1815mm×全高1440mmとさらにサイズアップし、3リッターおよび3.5リッターのV型6気筒エンジンを搭載。世界初のディスタンスウォーニングやリアビューモニターなどの先進装備が導入されるなど、技術面でも進化を遂げました。
デボネアは三菱のフラッグシップとして長く君臨しましたが、時代の変化とともに需要が減少し、1999年に生産終了となりました。
後継モデルとして「プラウディア」「ディグニティ」が登場しましたが、2001年には早々に廃止。
2012年に日産のOEM供給により2代目プラウディア/ディグニティが誕生しましたが、それも2016年に販売を終え、三菱は高級セダン市場から撤退しました。
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現在、デボネアの中古車市場での流通量は極めて少なく、非常に希少性が高い車種となっています。
なかでも初代デボネアの中古車は流通量が非常に少なく、大手中古車情報サイトによると、価格は250万円から300万円が相場となっており、状態が良いものはプレミアが付くこともあります。
2代目デボネアVは、状態によりますが80万円から150万円、3代目デボネアは50万円から130万円程度となっています。
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