スバル「“スゴい”スポーツセダン」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「S210」についてSTI本部長に聞いてみた!
スバルが東京オートサロン2025で発表したSTIコンプリートカー「S210」。今年の夏を目途に500台限定で販売される予定のクルマは一体どのような特徴があるのでしょうか。
10台目のSシリーズが登場
スバルは「東京オートサロン2025」において、通算10代目のSシリーズとなる「S210」のプロトタイプを公開しました。
S210は、スバル「WRX S4」をベースにSTIがカスタマイズをしたコンプリートカーです。
このモデルは、今年夏頃に500台の台数限定で発売を予定しているといいます。一体どのようなクルマなのでしょうか。

STIのコンプリートカーは、1998年の「インプレッサ22B」をはじめとして、これまで合計34種が市場に投入されてきました。それらは、その時々でスバルSTIが戦っていたWRCやニュルブルクリンク24時間レースなどのモータースポーツから得た技術やノウハウを織り込んでおり、これらのコンプリートカーはスバルSTIの挑戦の歴史を表すクルマともいえます。
その中でも、パワートレインを含めたすべてに手を入れたプロダクトにのみ名乗ることが許されるのが“S”シリーズであり、STIのコンプリートカーの頂点に君臨するモデルです。
日本市場向けには2017年の「S208」以来、実に約8年ぶりとなるこのS210プロトタイプは、2008年から始まったニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦を通じて得られた知見を惜しみなく投入し、市場に投入できる最適解のプロダクトとして、ニュルブルクリンクレースカー直系の“スバル2ペダルスポーツセダン”をコンセプトに開発されました。
エクステリアは、ニュルブルクリンクのマシンで証明された技術やノウハウを、今まで以上に色濃く再現しているといいます。
フロント、サイド、リアのSTIエアロパーツはもちろんのこと、フロントフェンダー部にはスポーツサイドガーニッシュとフレキシブルホイールを新規採用。特にスポーツサイドガーニッシュは、ノーマルからプラス20ミリ拡幅することで、よりアグレッシブでワイルドに見せる効果を持ち、さらにタイヤハウス内の空気を外に流し圧力を抜くことで、リフト荷重を低減する機能部品となっています。これらのアイテムは実際にニュルブルクリンクのマシンに採用され、レースを通じて開発されました。
インテリアも、ニュルブルクリンク車両から得られた知見を再現し、黒と赤に統一することで、これまで以上に運転に集中できる空間を実現。特に今回新規採用されたレカロカーボンバックレストシートは、電動リクライニングとシートヒーターを備え、ホールド性はもちろん、快適性も確保。ニュルブルクリンクレースカー同様、長時間でも安心して楽に走ることができる環境となりました。
走行性能に関しては、Sシリーズの証であるパワートレインまで及ぶチューニングを実施。
吸排気系の変更により、ノーマルから15馬力アップの300馬力をあえて狙って開発されています。この300馬力化に加え、スバルパフォーマンストランスミッションをS210専用にチューニング。出力向上したエンジンと組み合わせることで、ダイレクト感が増し、より正確にドライバーの思い通りに反応するクルマに仕上がったそうです。