レクサス新「LX700h」がとにかくスゴかった! 25年春に日本発売! 見た目は「オーバートレイル」に注目! 中身は「V6-3.5Lツインターボ×ハイブリッド」に感激!? 試乗した印象は?

レクサスは、2024年10月10日に「LX」を一部改良しました。この際、同ブランド初となる新ハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」も発表しています。そんな「LX700h」に乗った印象はどうだったのでしょうか。

レクサス新「LX700h」がとにかくスゴかった!

 2022年に4代目に進化したレクサスのフラグシップSUV「LX」。言葉を濁さずに言えば初代~3代目は「豪華版ランクル」だったのに対して、新型は「ランドクルーザーの武器を用いたレクサス」と呼べる実力を手に入れました。
 
 ただ、一つだけ気になっていた事がありました。レクサスはコーポレートの中で電動化をけん引する役目を担い、2024年の電動車比率52%と過去最高となりましたが、LXは内燃機関のみの設定。筆者は「LXにこそ、必要なのに」と常に思っていました。
 
 あれから2年、一部改良に合わせてLX初となるハイブリットモデル「LX700h」が追加。
 
 今回、春頃と言われる日本発売に先駆け、北米仕様をアメリカ・カリフォルニア州北部(ノースコースト)で試乗してきました。

レクサス「LX 700h」登場! 何が凄いの? (画像のグレードはUltraLuxury)
レクサス「LX 700h」登場! 何が凄いの? (画像のグレードはUltraLuxury)

 見た目の部分ではNX、GXに続いてアウトドアに寄り添う「オーバートレイル」が追加されたのがトピックでしょう。

 日本人的には日本仕様のみに設定されていたOffroadの進化版と言った印象ですが、ヒカリモノを抑えた加飾に加えて新色「ムーンデザート」のボディカラー、モノリスのインテリアカラーなど、プレミアムだけどワイルド系ないで立ちになっています。

 他のグレードは正直間違い探しレベルで、12.3インチフル液晶メーターやエレクトロシフトマチック(LX700hのみ)、フロント席リフレッシュシート、置くだけ充電の進化などが行なわれています。

 注目のハイブリッドシステムはV6-3.5L直噴ツインターボと10速ATの間にクラッチとモータージェネレーターを配置するパラレル式ハイブリットを搭載。状況に応じてモーター/エンジン+モーター/エンジンと最適にコントロール。

 ちなみにシステム出力はLX600の409hp/650Nmから457hp/790Nm(共に北米仕様)に引き上げられています。

 このシステムの特徴は「生きて帰ってこれるハイブリッド」である事です。

 トヨタ・レクサスで主流のシリーズパラレル式を使わない理由は、内燃車と同じ10速AT+LOレンジ付のフルタイム4WDシステムを使うため。

 これにより前進・後退共に同じ駆動力が担保されています(THSIIは構造上リバースギアが無いので後退時はモーター駆動のみ)。

 更に従来のハイブリッドシステムには存在しないオルタネーターとスターターを備えてますが、その理由は万が一システムがダウンしたとしても、エンジンのみで退避走行を可能にするため(通常走行時も動作確認を兼ねてシステムをサポート)。

 そしてサードシート下に搭載される駆動用バッテリーは水の侵入を防ぐために本体を上下に分割した防水トレイで入念にパッキングすることにより、内燃車と同じ渡河性能700mmを確保。

 このようにLX700hのハイブリッドシステムはLXの「悪路走破性」と「信頼性」を担保しながら電動化が行なわれています。

 恐らく開発はLX600と並行して行なわれていたと思いますが、上記の要件をクリアするには2年間の熟成が必要だったと言うわけです。

 このように記すと物々しいシステムに感じますが、走らせると電動車と言うより「良くできた内燃機関」に近いかなと。

 もう少し具体的に言うと、LX600(ガソリン車)はゼロ発進時や再加速時など瞬発力が求められるシーンでクルマの重さを感じてしまう所がありましたが、LX700hは同じようなシーンで車両重量は160kg近く重くなっているにも関わらず、むしろ「クルマが軽くなった?」と錯覚するくらいの力強さです。

 定常走行時やアクセルOFF時にEV走行はするものの、走行中にモーターアシストを実感できるかと言うとNoで、どちらかと言うと「ターボラグが全くないターボ」もしくは「ツインチャージャー」のような感じ。

 実際にメーター(フル液晶に変更)内のモーターアシスト表示とターボのブースト表示を見ると、その連携が緻密かつシームレスに行なわれているのが解ります。

 そこから中・高回転域の伸びの良さはガソリン車と同じなので、まさに“全域”で滑らかなフィーリングを実現。結果的にパワートレインとしての“質”も増したと感じました。

 その印象をチーフエンジニアの横尾貴己氏に伝えると、「北米仕様と日本仕様は走行条件の違いや嗜好からモーターアシストさせ方に差を付けており、日本仕様はもう少し電動車感があるセットです」と教えてくれました。

 燃費は制限速度55マイルの試乗コース(半分が平坦な道、半分がワインディング)での簡易計測で9km/L前後でした。

 北米向けのカタログ燃費を見ると大きな差はないものの、ストップ&ゴーの多い日本では実燃費で結構差が出るのではと予想しています。

 ちなみに悪路走破時に使う4Lモードでもしっかりとモーターアシスト(レクサス初)。

 特設のオフロードコースは降雨の影響でとても滑りやすい路面でしたが、微細なアクセルコントロールが楽なので、ガソリン車よりも、より楽/より安心して走る事が可能でした。

レクサス「LX 700h Overtrail」の凄さは見た目だけじゃない!
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 フットワークはレクサスが近年熱心に取り組む「味磨き活動」のフィードバックを色濃く反映。

 具体的にヒアフロントのラジエターサポート周りの剛性アップ、インパネリーンフォースメント周りのステアリング支持剛性アップ(ブラケット追加、既存部品の板厚変更)、更に12Vバッテリー搭載位置変更(エンジンルーム内→リアのデッキ横)に伴うブレースの追加などを実施。

 加えて、ボディとフレームを繋ぐキャブマウントの構造の変更(こじる動きをする際の結合剛性アップ)により、フレーム車特有のブルブル(=低周波の振動)を抑えています。

 このように体幹を鍛えたボディ・シャシーに合わせてサスペンション、EPS制御を最適化。AVSは路面の段差通貨などでアブソーバーが急に緩む際の減衰力を滑らかにコントロールするために、アクチュエーター部のバルブ構造の見直しが行なわれています。

 北米向けはノーマル系(Premium/Luxury/Ultra Luxury、Fスポーツハンドリングに加えて、新たにオーバートレイル(日本のOffroadの進化系)が追加されています。

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