レクサス新「LX700h」がとにかくスゴかった! 25年春に日本発売! 見た目は「オーバートレイル」に注目! 中身は「V6-3.5Lツインターボ×ハイブリッド」に感激!? 試乗した印象は?
もう少し詳しく走りを紐解いていこう! オフロードやFスポーツの印象は?
その走りはどうでしょうか。
試乗前は弟分となるGXの仕上がりの良さから「LXの立場は危い?」と心配していましたが、ステアリングを握って一安心した上に、GXとは異なる重厚さと落ち着きに「やはりフラッグシップSUVはLXだな」と再確認しました。
従来モデルもコーナリング時に、滑らかなのに芯があるステア系、巨体のノーズをスッと動かす応答性の高さ、グラっと来ないロールコントロール、2.5トン超えの重量を4つタイヤに上手に分散させて曲がる様。
そして微小な操作にも応えるコントロール性の良さを感じていましたが、新型はその精度が1ランク、いや2ランク高められている上に、その一連の流れが“力ずく”ではなくきわめて“自然”に行なわれていると感じました。
この辺りは従来モデルではAHC(ショックアブソーバー兼車高調整機能兼ガスバネ)の効果が大きかったですが、新型は基本素性のレベルアップとの相乗効果が大きいようです。その結果、普通に乗っている限りはフレーム車である事を本当に忘れるレベルです。
ここまでは改良モデルに共通した印象ですが、グレードによって味付けは異なります。
オーバートレイルはオフロード志向のセットアップ+265/70R18サイズのA/Tタイヤ(TOYOオープンカントリー)の組み合わせ。ロードノイズは他のグレードと比べると若干気になる所はありますが、ハンドリングは従来モデルのノーマル系並み。穏やかだけどダルではないゆっくりとした動きのボディコントロールが印象的。乗り心地も入力を丸く包み込むような優しさを備えています。

一方、Fスポーツハンドリングはオンロード志向のセットアップ+265/50R22の組み合わせに加えて、前後にパフォーマンスダンパー、リアスタビライザー、リアLSD(ヘリカル式)をプラス。オンロードではこれがLXベストで、ワインディングではタイトコーナーは重量級を感じさせない身のこなしで、まさにワインディング“も”走れるではなくワインディング“が”走れるLX。
常用域の乗り心地も他のグレードより硬めですがサスだけでなくボディやフレーム含めて統一性のあるスッキリとした減衰感で、オンロード主体ならば「これがノーマルでもいいかな?」と思うくらいの絶妙な味付けでした。
ノーマル系はリア独立2座のUltra Luxury(日本向けのExecutive相当)に試乗。バランスの取れたセットアップ+265/50R22の組み合わせです。
オーバートレイルとFスポーツハンドリングのいい所取りで穏やか過ぎず、でも俊敏ではない絶妙な味付けでしたが、乗り心地に関しては欲張りすぎてどこか中途半端に感じてしまったのも事実。
中でも走行中に路面の悪い所を通過する時にバネ下のバタつきが大きいのと、サスだけで吸収できずフレームに僅かにブルっと伝わる感じが気になりましたが、日本向けはどうなるのでしょうか。
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内外装に次世代レクサスを感じさせるアップデートが欲しいと思う所はあるものの、「花より実」を取った改良でありLXらしい進化だと感じました。
ただ、唯一の心配事は、従来モデルと同じく注文が殺到→受注停止になってしまう事。
今回も争奪戦になるのは間違いないので、とにかく早めに動いたほうがいいと思います。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。























