EVトラックのための専用設計!トーヨータイヤのスタッドレス「NANOENERGY M951 EV」の実力を冬の北海道で試す!
実走テストで体感! M951 EVがかなえた「ハンドリング×グリップ×安定性」
その実力を確かめるために、今回は北海道のルスツリゾートにある特設コース(ゼロ発進加速や定常円旋回、さらにはS字~タイトターンと簡易的なジムカーナコース)でM951 EVを三菱ふそうeキャンターに履かせてテストしてみました。

まずは比較用のM919で走ってみましたが、正直に言ってしまうと「これでいいじゃないか」と思いました。違いは本当に感じられるのかと心配しましたが、M951 EVで走り始めて即座に違いを実感しました。
まず驚いたのはステア系です。まるで支持剛性を高めたかのような骨太なフィールと、ステアリングのギアの遊びを詰めたかのような応答性、さらにタイヤからの情報がより濃厚になっています。これはスタンダードタイヤからスポーツタイヤに交換したかのような差に近いなと感じました。
ハンドリングも確実にアップしています。絶対的なグリップはM919同等のようですが、実際に乗っている感覚はよりグリップが高い印象です。恐らく、ステアリングを切り始める→応答がいいので素早く旋回姿勢に持ち込める→4つのタイヤのグリップを今まで以上に上手に活用→より安定/より楽に旋回ができるというわけだと思います。トラックでこんなことを言うのもアレですが、M951 EVはM919よりも間違いなく「意のままのドライビング」が可能なタイヤに仕上がっています。
ブレーキングは急制動を試した時にペダルを踏み込んでからグリップが立ち上がるまでM919よりもわずかにラグを感じたものの(剛性が高いのでタイヤがつぶれにくいのが原因!?)、絶対的な制動力は同等レベルと言っていいでしょう。逆に緩いブレーキの時は姿勢変化が少なくフラつきが抑えられていました。
耐摩耗性能・氷雪性能・ハンドリングの全方位が進化しているM951 EV
総じて言うと、M951 EVは耐摩耗性能と氷雪上性能を高次元で両立させた結果、ハンドリング性能も向上し「1粒で3度おいしい」スタッドレスタイヤに仕上がっています。

開発者に話を聞くと「企画側の要求レベルが高いので、今回は当社が持つ技術をフル活用して開発しました」と教えてくれました。ちなみに小型EVトラック専用とうたっていますが、内燃機関の小型トラックに履かせても上記の良さは実感できるそうです。
現時点ではかなりニッチな商品ですが、筆者は将来的にはオープンカントリーやトランパスのように“大物”に化けると信じています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。









































