イギリスに拠点を置くレーシングカーチーム「プロドライブ」は、フォードやBMW、スバルといった名だたるメーカーのワークス活動をサポートし、数々の輝かしい戦績を残してきました。
　
　そんなプロドライブが、スバルの軽自動車や水平対向エンジンを用いて手掛けた、驚きのコンパクトスポーツカーにネット上では多くの反響が集まっています。

【画像】超カッコイイ！ スバルの“軽”ベースな「コンパクト“クーペ”」を画像で見る（23枚）

　そのクルマとは2006年にイギリスの「オートスポーツインターナショナル」で公開されたプロドライブ「P2」です。

　このクルマは、単なるコンセプトカーにとどまらず、実際に走行可能な高性能プロトタイプとして登場し、世界中の自動車ファンを驚かせました。

　ボディサイズは全長3910mm×全幅1855mm×全高1310mm、車重も1100kgとコンパクトかつ軽量。

　そこに搭載されたのは、スバル「インプレッサWRX STI」のEJ20型エンジンでした。

　ターボラグを減少させる「アンチラグシステム」や、プロドライブ独自開発の「アクティブ・トルク・ダイナミクス（ATD）」システムを搭載し、最高出力は350psにまでチューニングされています。

　6速MTとAWD（四輪駆動）を組み合わせた駆動システムもWRC譲りで、圧倒的な走行性能を誇ります。

　実際に英国の人気自動車番組「Top Gear」では、P2がテストされ、その実力が証明されました。

　0-96km／h加速はわずか3.8秒、最高速度は280km／hをマーク。

　さらに、同番組内のテストトラック「パワーラップ」では1分24秒3という大排気量のスーパーカーに匹敵する記録を叩き出しました。

　ここで注目すべきなのは、P2のベースとなった車両です。

　その正体は、スバルの軽自動車「R1」なのです。

　よく見るとP2のドアミラーや三角窓、インテリアの一部にはR1の面影が残されていますが、ネット上でもこの事実に驚く声が多く上がっています。

「R1がベースとは信じられない！あの丸っこいボディがこんなシャープなクーペに変わるなんて」 「350馬力の水平対向エンジンをMTで操作するの楽しそう」「軽自動車のシャシで280km／h出せるとか、プロドライブの技術は化け物すぎる」など、確かにコンパクトで可愛らしいR1と、低く構えたスタイリッシュなP2とのギャップは大きく、にわかには信じがたいかもしれません。

　しかし、そこにはプロドライブならではの高度な技術が詰まっています。

　そんなP2は、当時4万UKポンド（約800万円）で市販化の可能性があるとされていましたが、残念ながらP2が市販化されることはありませんでした。

「もし市販されていたら、スポーツカー界に革命を起こしていただろう」「市販化してほしかった」「現代版P2が見たい」「もし発売されていたら、絶対買っていたと思う。あのスペックで800万円は破格すぎただろう」と惜しむ声も多く、現在でもその存在は伝説的なものとなっています。

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　プロドライブP2は、市販化こそされなかったものの、その先進性と技術力で多くの自動車ファンを魅了しました。

　軽自動車をベースにここまでのスポーツカーを作り上げたプロドライブの技術は、まさに驚異的です。

　今後、P2のコンセプトを受け継ぐ新しいモデルが誕生する日を待ち望むファンは少なくないでしょう。