トヨタの「新エンジン」600馬力出る!? 「新ミッドシップ」は異例尽くし! みんなが気になるコトを聞いてみた! キーマン・高橋プレジデント&齋藤氏が誕生秘話語る!

TOYOTA GAZOO Racingは2025年1月10日から12日に開催された「東京オートサロン2025」で、「GRヤリス」の更なる可能性を追求するために開発中の直列4気筒2.0Lターボエンジンを搭載し、ミッドシップマウントとした「GRヤリス M コンセプト」世界初公開しました。今回はどのような経緯で誕生したのかを、GRカンパニープレジデントの高橋智也氏とGRヤリス開発責任者の齋藤尚彦氏に、聞いてみました。

クルマ好きは皆驚いた? トヨタの「GRヤリス Mコンセプト」 どうやって誕生したのか

 東京オートサロン2025のトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)のテーマはニュルブルクリンク。

 モリゾウ氏も運転訓練を行なった80スープラから2025年に参戦するGRヤリスまで、トヨタの「もっといいクルマづくり」の挑戦の歴史が様々な形で展示されています。

 その中にサラッと展示されていたのが、TGRカラー(赤・白・黒)の唐草模様にラッピングされた「GRヤリス Mコンセプト」です。パッと見はノーマルから拡幅されたワイドボディですが、驚きは中身です。

クルマ好きは皆驚いた? トヨタの「GRヤリス Mコンセプト」 どうやって誕生したのか
クルマ好きは皆驚いた? トヨタの「GRヤリス Mコンセプト」 どうやって誕生したのか

 エンジンは東京オートサロン2024でモリゾウ氏がその存在をチラリと明かした2つのエンジンの内の直列4気筒2.0ターボ(G20Eと命名)を運転席の後ろ、つまりリアミッドシップに変更。

 その上で駆動方式は4WDと全てが“初めてづくし”のモデルなのです。

 すでにくるまのニュースをはじめ様々な自動車メディアから第一報が報じられています。

 今回は、GRカンパニープレジデントの高橋智也氏とGRヤリス開発責任者の齋藤尚彦氏に、筆者(山本シンヤ)がGRヤリス Mコンセプトについて、読者の皆さんが知りたいであろう様々な疑問を投げてみました。

―― 2020年にGRヤリスを発売して以降も「壊しては直し」を繰り返して鍛え上げてきました。その成果が2024年に登場した進化型ですが、Mコンセプトは進化と言うよりも“突然変異”に近い気がします(笑)。

 齋藤:いや、これも進化の過程だと思っています。

 GRヤリスを鍛えていく中で、我々は走りにおける“駆動”について解っているようで解っていないことに気が付きました。

―― もう少し具体的に言うと?

 齋藤:例えば、コーナー進入時にアクセルOFFからブレーキング時のようなシーンで、駆動系の介入はもの凄く細かい所をコントロールしなければいけないのに、我々は全然対応できていませんでした。

 その領域は今までは「制御でやればいい」、「サスペンション側でやればいい」と言う考えでしたが、駆動に勝るモノはないと。

 それがやっと解ってきました。

―― それとミッドシップの関係は?

 齋藤:我々もフロントエンジンの4WDで相当色々な事をやってきましたが、現状の構成では乗り越えられない所がありました。

 そんな時、モリゾウさんと佐々木選手から「ミッドをやってみないか」と提案されました。

―― GRヤリスはスポーツ四駆を忘れていた反省を元に開発されましたが、よくよく考えると、高出力エンジンを搭載したミッドシップも長い期間遠ざかっています。その辺りもこのクルマに込められているのでしょうか?

 齋藤:その通りです。文献を読み漁っても当時のノウハウは解らず……。

―― 実はレクサスLFAが登場した時、成瀬さんに「なぜ、トランスアクスルのFRを選択したのか」と聞くと、「トヨタが作るクルマは最後にドライバーを裏切ってはいけない。だからミッドシップではなくFR」と教えてくれました。ただ、あれから時が経ち、トヨタにも裏切らないミッドシップを作れる基礎体力ができたと考えていいでのしょうか?

 高椅:そんな自信などありません(汗)。

 本当にこのクルマを走らせると何が起きるのか? その正解が解らないので作ってみた……それに尽きます。

 ただ、GRヤリスを鍛え続けてきて「ついにそこに行かないと」と言える況に来た事も事実です。

 恐らく、やり続けてこなかったら、このような決断はしなかったと思います。

―― 実際のパフォーマンスはどうですか?

 高橋:まだ出来上がったばかりで走らせたと言っても転がした程度なので何も解りません。

 まずはテストでサーキットを1周走り切る事が目標といった感じです。

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