“25万円値上げ”で商品力アップのトヨタ新型「アクア」 発売直後にまさかの受注停止で現状は? ディーラーが危惧する「候補に挙げてもらえない」事態とは

トヨタは2025年9月1日、人気のハイブリッドコンパクトカー「アクア」に一部改良を施し、発売しました。発売直後から受注が停止されていた同モデルですが、現状はどのような状態なのでしょうか。

候補に挙げてもらえなくなることを危惧

 トヨタは2025年9月1日、人気のハイブリッドコンパクトカー「アクア」に一部改良を施し、発売しました。

 しかし、その後すぐに受注が停止される事態となっています。現在の供給状況はどのようになっているのでしょうか。

 今回の一部改良で最も注目すべき点は、最新のプリウスでも採用されている「ハンマーヘッド」をモチーフとしたフロントデザインへの変更でしょう。このデザインはシュモクザメの別称に由来し、T字型の頭部が鐘を打つ撞木に似ていることから名付けられました。

 ボディカラーにはモノトーン系2色とツートーン系3色の新色が追加されています。

 装備面では、大型マルチインフォメーションディスプレイが標準装備となったほか、プリクラッシュセーフティーやレーダークルーズコントロール、ロードサインアシスト、発進遅れ告知機能といった各種安全装備も拡充されました。

 さらに、エンジンを停止してもブレーキホールドやドライブモードの設定が維持されるようになり、再始動のたびに設定し直す手間が省けるなど、利便性と安全性が向上しています。

 ボディサイズは全長が30mm延長され4080mmとなりましたが、全幅1695mm、全高1485(1505)mmに変更はありません。

価格(消費税込)は248万6000円から302万2800円となり、改良前と比較して約25万円の値上げとなっています。

サメ顔採用でデザイン一新したトヨタ「アクア」
サメ顔採用でデザイン一新したトヨタ「アクア」

 そもそも初代アクアが登場したのは、東日本大震災が発生した2011年の12月でした。「ハイブリッドカーをより身近な存在にする」というコンセプトのもと、「次の10年を見据えたコンパクトカー」として開発されました。

 プリウスの登場以降、トヨタが10数年にわたる量産ハイブリッドカー開発で培った知見と技術が注ぎ込まれ、当時世界トップクラスの燃費性能を実現しました。ハイブリッド専用モデルならではの低燃費と静粛性に加え、高い実用性と手頃な価格を両立させたのです。

 そして2021年7月、現行モデルとなる2代目にフルモデルチェンジ。「実用的な環境車を持続可能な形で提供する」という使命を掲げ、カーボンニュートラルの実現に貢献することを目指して開発されました。

 初代と比較して燃費性能は約20%も向上し、35.8km/L(WLTCモード・現在は廃止された「B」グレード)という優れた低燃費と、電動車らしい軽快で上質な走りを両立させています。

 しかし、このように魅力的な改良が施されたアクアは、発売直後から受注が停止しています。4月下旬に首都圏のトヨタディーラーへ現状を尋ねると、全グレードオーダーストップの状態とのことで、いつ再開できるかの見込みも立っていない状況といいます。KINTO(サブスク)においてもオーダーストップになっているはずと話します。

 また、関西エリアのディーラーでも状況は同じようで、反響は大きいのに売り物がないという状態が続いているようです。

 さらに、「どうせ買えない」という印象が浸透し、「はじめからどうせ買えない」と、候補に挙げてもらえなくなってしまうことを危惧しているといいます。

 新車の場合、ほんの数年前までは在庫から自由に選べることも珍しくありませんでした。フェイスリフトによって商品力が高まったにもかかわらず、顧客が購入できない状況は、ユーザーだけでなく販売の最前線に立つディーラーにとっても悩ましい問題です。一日も早い受注再開に期待したいところです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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