トヨタ、「スープラ」の二つの条件とは 直列6気筒のFR駆動であること
驚きの連鎖反応はさらに続く、ル・マン24時間レースに出場!?
驚きは他にもあります。量産車が公表される前に、レーシングカーが発表されたことです。
一般的にはまず、量産車が発表され、その後に量産車を改造したレーシンクカーがサーキットを走り始めます。ところが今回は、量産車はまったく公表されていないのに、まずレーシングカーがデビューしました。それは異例なことなのです。
しかもスープラは、ル・マン24時間にも出場できるLM-GTEという規定に合わせて開発されています。
「LM-GTE規定を選んだのは、改造範囲が広いことです。どうせなら徹底的に改造したかったのでこのカテゴリーを選びました。いざレーシングカーの戦闘力を高めようとした場合に、量産車の段階でこうしておけばよかったのに・・ということが発生します。ですので、あらかじめレーシングカーを開発することで、事前に量産車に細工をしていくためです」(多田哲哉氏)
まだ実際に参戦するかは発表されていませんが、すでに勝つためのシナリオが出来上がっているのですね。
ジュネーブショーの会場では、とても人気の高いモデルでした。マシンの周りには常に黒山の人だかりができていました。これから話題の中心になることは疑いありません。
【了】
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。