トヨタが「“究極”の2人乗りGRカローラ」を世界初公開! 登場の背景は? 「ニュルブルクリンク」を“全開走行できるカローラ”「GRMNカローラ」誕生 27年に国内で限定発売へ
GAZOO Racingは2026年6月2日、“究極のGRカローラ”とする「GRMNカローラ」を世界初公開しました。
“究極”の「GRカローラ」が誕生
GAZOO Racingは2026年6月2日、トヨタ「カローラ」シリーズのハイパフォーマンスモデル「GRMNカローラ」を世界初公開しました。
カローラシリーズは1966年に発売後、「良品廉価」「変化」「プラスアルファ」をキーワードに、150以上の国と地域で販売してきた乗用車の定番モデルですが、GRMNカローラは、どのような立ち位置で登場したのでしょうか。
カローラは1966年の初代登場後、これまで12代にわたって進化を重ね、高い実用性や耐久性から、150以上の国と地域で販売し、支持を集めてきました。現在では、世界で最も売れた乗用車というポジションを築き上げています。
一方で、2代目の「カローラクーペ」(TE25型)はトヨタとして初めてWRC(FIA世界ラリー選手権)で優勝を飾った経歴をもち、さらに1000湖ラリー(現ラリー・フィンランド)では「カローラレビン」が勝利。
1998年のラリー・モンテカルロでも8代目が優勝するなど、実用車としてではなく、モータースポーツにおいても好成績を残し、走りが評価されてきたモデルとしての側面を持ちます。
カローラシリーズでは、セダンやバンのみならず、時代に合わせたワゴンやSUVなど、さまざまなタイプを展開して進化してきたなか、トヨタ自動車社長(当時)兼TGR(当時)マスタードライバーの“モリゾウ”こと豊田 章男氏の「多くのお客様に愛していただけるクルマだからこそ、絶対にコモディティ(生活必需品)と言われる存在にしたくない。お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という思いから、ハイパフォーマンスモデル「GRカローラ」の開発がスタートしました。
その後、2023年にGRカローラを発売。現行型12代目の5ドアハッチバック「カローラスポーツ」をベースに、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を通して、レース現場でフィードバックを受けた技術の数多くを採用しています。
主に専用の内外装のほか、ハイパフォーマンスハッチバック「GRヤリス」と同様の高性能ターボチャージャー付きスポーツエンジンとスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を組み合わせ、高い走行性能を実現しています。
搭載されるユニットは1.6リッター直列3気筒ターボ「G16E-GTS型」で最高出力は304ps、最大トルクは370Nmを発揮します(いずれも発売当初のスペック)。
2024年8月には、スポーツ8速AT「GR-DAT」の採用や走行性能の強化を図った大幅改良モデルが登場。直近では「スーパー耐久」シリーズ(S耐)参戦からの学びを活かし、基本性能を向上させた一部改良モデル(25式後期)が2025年11月に発売されています。

そして今回登場したGRMNカローラは、このGRカローラをさらに磨きあげたモデルで、“究極のGRカローラ”だと説明します。
GRMNカローラは、モリゾウ氏の「GRMN(トヨタ車をベースにチューニングした『GR』シリーズにおける最高峰モデル)を名乗るならニュル(ニュルブルクリンク)をしっかり走れるクルマに」という言葉を受け、世界一過酷ともいわれるドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」で鍛え上げたといいます。
ニュルブルクリンクは、通常のテストコースでは現れない入力や路面変化があり、走り込めばクルマの弱みを浮き彫りするコースです。
GRMNカローラは、ここを走り込むことで低速域からレーシングスピードに至るまで、荒れた路面であってもクルマを意のままに操れる1台に仕立てているとしています。
また、GRMNカローラはニュルブルクリンクでの走行テストのみならず、カーボンニュートラル実現のために水素エンジンを搭載したGRカローラが参戦するS耐での実戦、さらに最新のドライビングシミュレーターを活用して様々な検証を行って開発しました。
しかし、それでも実際にニュルブルクリンクを走り込むと、想定外の課題に直面。ここで浮かび上がった課題をひとつずつ解決し、限界走行域に至ってもクルマとドライバーがしっかり対話し続けられる、クルマとの一体感の高さを追求したといいます。

主な特徴としては、専用パーツの多数採用による走行性能の強化や、運転に集中できる専用コクピットが挙げられます。
エクステリアでは、S耐の参戦で得たノウハウをもとにした専用フードダクト、フロントサイドスポイラー、リアウイングを装着。S耐で試行錯誤を繰り返すとともに、ニュルブルクリンクでの微細なチューニングで最適な仕様を導き出しています。
足回りは、専用のモノチューブショックアブソーバーを前後に採用。ショックアブソーバーにはコーナリング時の接地性を高め、高速旋回性能を引き上げるために、リバウンドスプリングを追加しています。
これも、ニュルブルクリンクでの荒れた路面に対応するために走行テストを重ねて追求した機能のひとつで、同時にタイヤの拡幅とミシュラン製ハイグリップタイヤ「パイロットスポーツカップ2」(245/40R18サイズ)を装着しています。
ハンドリングはEPS(電動パワーステアリング)の制御プログラムを変更することで、高いGを受ける旋回時においても適切なアシストトルクを発生。4WD「GR-FOUR」も専用チューニングを施し、超高速域におけるステアリングの切り始めの安定性を向上しました。
エンジンはG16E-GTS型からの変更はありませんが、S耐の水素エンジン搭載車両での長時間・高負荷での走行を繰り返したことによる知見を投入し、最大トルクを415Nmまで向上。
エンジンの特性もサーキットでのエンジンの回転の使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がりで重要となる中速回転域(3600〜4800rpm)のトルクを増強しています。トランスミッションのクロス化と合わせ、素早いコーナー脱出を実現します。
さらに、長時間の全開走行でも安定したエンジン出力を維持するために、改良を行った「25式」GRカローラで設定したクールエアダクトに加え、インタークーラースプレーを装備しています。
なお、より高いパフォーマンスの追求や「お客様を魅了する野性味」を追求するという意味から、リアシートを撤去し2人乗り仕様となっています。これにより30kgの軽量化を図り、突き抜けた走りを提供しました。
インテリアは、S耐参戦車両を参考にした高いホールド性を持つ専用フルバケットシートを採用。インパネやフロントピラーには専用植毛加工を施し、運転に集中できる空間を追求しています。
このほか、専用カーボン製オーナメントやモリゾウ氏のサイン入りパット、アルマイトレッドのアクセントカラーを施したドアトリムやシフトノブ、専用シリアルナンバープレートを装着し、特別感も演出しています。
※ ※ ※
GRMNカローラは日本、北米、豪州を中心に台数限定で販売する予定で、日本国内においては2026年秋頃からスマートフォン向けアプリ「GR app」を通して商談申込の受付を開始し、2027年内に発売する予定となっています。
Writer: くるまのニュース編集部
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