ホンダは2024年10月10日、新型軽商用EV「N-VAN e：（エヌバンイー）」を発売しました。
　
　計4タイプが展開されるラインナップには2人乗りのモデルも設定されており、非常に珍しいとSNSなどで話題になっています。

「N-VAN」は2018年に登場した軽商用バンです。独自の「センタータンクレイアウト」がもたらす低床でフラットな室内や、左側センターピラーレス構造、床下格納の助手席などにより広大な室内空間を実現し、好評を博しています。

　新たに登場したN-VAN e：は、このN-VANをベースにEV化を図ったモデルで、N-VANの特徴はそのままに、EVの高い環境性能や静粛性、給電機能などがプラスされました。

　パワートレインは39kWの電気モーターと82.7Ahのバッテリーを組み合わせ、一充電航続可能距離は245km（WLTCモード）と、配送業務にも十分対応する容量を確保。

　パワーユニット自体の小型化に加え、薄型バッテリーの採用や高電圧部品の集中配置により、N-VANと変わらない荷室空間を実現しました。

　さらに、EVらしい静かでスムーズな加速と、N-VANターボエンジン車と同レベルの力強い走行性能を両立させました。

　給電は3.2kW／6kW普通充電を基本に、上級モデルでは50kWの急速充電にも対応。急速充電ではわずか30分ほどで80％まで充電することができます。

　また、バッテリーを加温し航続距離の伸長を図る機能や、1500W対応の外部給電機能、リモート充給電の設定が可能なコネクテッド機能「ホンダ コネクト」も利用可能です。

　先進機能では、衝突被害軽減ブレーキやリアパーキングセンサー、前席SRSサイドエアバッグを全車で採用し、上級モデルには「ホンダ センシング」を標準装備しています。

　デザインはN-VANとほぼ同等で、シンプルさと機能を追求。

　フロントグリルには使用済みホンダ車のリサイクル材を用い、環境性能を表現したほか、充電リッドを備えて充電時の取り回し性にも配慮しました。

　インテリアは、頑丈なコンテナらしさを表現した縦ビード（凹凸）をあしらい、堅牢感のアップとトリムの肉薄化を実現。室内空間の拡張にも役立っています。

　ラインナップは、「e：L4」「e：FUN」「e：L2」「e：G」の4グレードを用意。

　このうち、e：L2は機能性を重視したシンプルな2人乗りタイプで、座席レイアウトは運転席・運転席側リアシートという、ホンダならではのタンデム配置となっています。

　ベースは、配送業者などの使用を想定した1人乗りモデルのe：G。配達時に路上駐車する際に、助手席からの乗り降りや荷物の出し入れができるという設計ですが、e：L2では、作業の手伝いや非常時などの利用を想定して縦2人乗りとしたといいます。

　いっぽう、軽バンではラゲッジスペースを最大活用できる2人乗りの設定は、珍しいものではありませんが、N-VAN／N-VAN e：の特徴である左側ピラーレスの大開口を活かすためにタンデム配置にしたようです。

　リアシートが片側に備わる点以外はe：Gと共通で、助手席側インパネの削減や、エアバッグも非装着、助手席取り付け部の撤廃を行い、コストダウンと120mmの低床化を実現。長さ2.47mの脚立をそのまま収納することができます。

　新型N-VAN e：の価格（消費税込）は243万9800円から291万9400円で、e：L2は254万9800円となっています。

　事業者用補助金を適用する場合、全グレードで200万円を切る価格設定です。

　なおe：L2の取り扱いは、本田技研工業 法人営業部およびホンダの新車オンラインストア「Honda ON」限定となっています。

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　新型N-VAN e：L2について、「N-VAN e：L2の2シーター仕様いいな」「タンデム仕様!?」「置く場所も充電する場所もないけど欲しい」といったコメントのほか、「L2って将来すごくレアなクルマになりそうで好き」というクルマ好きならではのコメントも投稿されていました。