「クルマが壊れるから据え切りしないで」 いやいや「据え切り」って何なのよ!? 停止状態でタイヤを切るコトを指す? 謎の造語が誕生した訳
ハンドルは回すものなのに「切る」というのはなぜ?
ただ、「切る」についてはやや複雑です、
そもそも、クルマのハンドル(ステアリングホイール)は基本的に円形であり、その操作は「回す」という表現のほうが適当です。
実際、「ハンドルを回す」という表現もないわけではありません。
しかし、それと同じかそれ以上に、「ハンドルを切る」という表現が用いられているのも事実です。
一方、クルマの歴史を見ると、世界で最初のクルマのひとつとされているメルセデス・ベンツ「パテント・モトール・ヴァーゲン」には、円形のステアリングは備わっておらず、小さなレバーのようなものしかありません。
「ハンドルを切る」に似た表現のひとつに、「梶を切る」という舟の操作に関するものがありますが、小さな舟の梶を操作するという行為と、黎明期のクルマのレバーを操作するという行為はよく似ています。
このことから、当初は舟の「梶を切る」という行為からの類推で「ハンドルを切る」という表現が生まれたものと考えられます。
また、「切る」には「たんかを切る」や「スタートを切る」のように、「際立つ動作をする」という強調表現としての意味もあります。
最初期のクルマにはパワーステアリングもなかったため、進行方向を変えることは非常に大変な行為であったと考えられます。
「切る」という表現がクルマの方向転換に用いられるようになったのには、そういった背景もあるのかもしれません。
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つまり、「据え切り」という表現の裏には、「クルマをしっかりと固定した状態にしたうえで、ハンドルを操作するという一大事をおこなう」というニュアンスが含まれていると言えそうです。
ただ、現在では「クルマをしっかりと固定する」という行為も、「ハンドルを操作する」という行為も、それほど大きな労力を費やす必要なく実行することが可能です。
表現が成立した経緯とその実態が乖離しつつあることを考えると、「据え切り」という言葉は、将来的には別の表現に置き換わっていく可能性が高そうです。
「据物斬り」から来てるんじゃないの?
的外れな考察ご苦労様です
ここは本当に言葉遊びが好きだナ。こんな長ったらしい書き方しなくても、固定することに限らず、留め置くことを「据える」と云う。船の舵輪は一般的に丸い。回して舵を切るから車もそれに倣った(飛行機だって、もとは船用語が多い)。でしょ?