相次ぐ「逆走事故」 もし見かけたらどう対処? 東名・中央道では2日連続で発生 いまだ減らない現状… 「正面衝突」による重大事故も

そもそも「原因」は何なのか 「認知症の増加」も背景?

 そもそも逆走が発生する背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

 国土交通省では2015年12月から「高速道路での逆走対策に関する有識者委員会」を設けており、原因の追求や対策方法について議論を進めています。

 そこでは、逆走事案は年齢に関係ないとしつつも、高齢者への対策や認知症のヒアリングが必要との見方を示しており、高齢者や認知症ドライバーへの対応が必要だとしています。

 また内閣府が2016年に発表した交通安全白書の概要でも、高齢化の進展や、認知症問題の顕在化といった社会状況を一因として挙げています。

高齢運転標識
高齢運転標識

 実際、2023年の逆走事案224件では、65歳以上の高齢者が約7割を占めています。すべての要因別では認知症が約3割を占め、2015年〜2022年までのデータよりも増加傾向にあることがわかっています。

 こうしたことから、一定の違反行為をしたドライバーに対する臨時認知機能検査の実施をはじめ、認知症ドライバーの早期発見や免許の返納義務化などの必要性が問われています。

 一方で、道路や施設の複雑な構造が逆走を招くという見方もあります。

 高速道路は他車のスピードも速く、進路を判断できる時間が限られているうえ、さらに合流などでは全周囲の安全確認をしつつ、入り乱れる「ランプ」を通行しなくてはなりません。

 先出の国土交通省のデータでは、逆走し始める地点がICもしくはJCTだった事案が2023年では約7割となっているほか、逆走の要因としては道の間違いを発端とするものが約6割を占めています。

 また、中央道の逆走事故では、逆走車のドライバーが20代だったと報道されており、SNSなどでも初心者マークをつけたクルマによる逆走も投稿されています。

 さらに、SA・PAからの逆走も起こっており、場内の進路が非常にわかりにくいことも挙げられます。

 NEXCOや道路会社、国土交通省などは、2014年より逆走車に対する対策を検討し、実施しており、逆走を視覚的に示す看板やラバーポール、ボラード(地面埋込み型の可動式バー)の設置、カラー舗装といったものに加え、バーとともに聴覚的に抑止する音声装置を試行するといった取り組みも行われています。

 しかし、逆走ドライバーは、そもそも周りの声や案内を見聞きしようとしなかったり、自分が正しいと思い込む自己防衛心が働いているのではという声も見られます。

 そのため、海外のようにスパイクでクルマを壊すなど、物理的に逆走車を停止させる手段が必要という意見もあり、現時点では逆走車に対する有効な抑止策は見つかっておらず、一刻も早い法整備や抑止手段の実施が必要です。

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1件のコメント

  1. 「…海外のようにスパイクでクルマを壊すなど、物理的…」スパイクで壊すのは”タイヤ”。きちんと理解のうえ記載頂きたい。

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