車中泊、有料だけど電源アリ、使う? 九州で実証実験開始 道具貸出しで手ぶらも可

テントや調理器具も貸し出し マナー問題は大丈夫?

――この「車泊」サービスと、一般的な車中泊とでは何がちがうのでしょうか?

 大きなちがいとしては、国の事業として車中泊の拠点を整備し、これを認めている点でしょう。一般的に車中泊は道の駅の駐車場などで行われるケースが多いのですが、これらはいわば無断での宿泊であり、ゴミを置いていかれるといった利用者マナーに悩む自治体も少なくありません。

 また、「九州周遊観光活性化コンソーシアム」の会員でもあるキャンピングカーの普及団体、日本RV協会(東京都町田市)により、車中泊の車両向けに電源設備やごみ処理サービスが提供される「RVパーク」が全国に整備されていますが、これは基本的に施設管理者が有人で利用に対応しているものです。わたしたちの事業は、完全無人のシステムである点が大きな特徴です。

――外部電源の提供以外には、どのようなサービスがあるのでしょうか?

 一部の拠点では、キャンプ用のテントやテーブル、イス、ヒーターなどの家電、調理器具の貸し出しも行い、キャンピングカーではなく一般の乗用車で来たお客様向けに「手ぶら車泊」を可能にしています。ただし、これに関しては無人運用ではなく、施設管理者の有人対応としています。

「車泊」スペースの例。夜間、施設が休止するあいだなどに予約者専用の駐車スペースとなる(画像:九州周遊観光活性化コンソーシアム)。

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 トラストパークも言うように、道の駅などでは一部、利用者のマナー問題から車中泊を「おことわり」としているところもあります。そのひとつ、京都府京丹後市の道の駅「てんきてんき丹後」でも、「駐車場で食事をしたり、芝生で洗濯物を干していたりという光景も見られます。車中泊をする場合は、基本的に隣接するオートキャンプ場の利用をお願いしています」といいます。

 今回始まった「車泊」サービスでも、このような利用者マナーに対する懸念はないのでしょうか。トラストパークは次のように話します。

「車中泊マナーの問題は、オートキャンプ場などでも同様です。注意喚起をしっかりと行っていきたいと思います。なお、『車泊』のサイトは24時間、監視カメラで不正駐車やトラブルを見張っているほか、利用者からの質問や近隣の方からの苦情も受け付けるフリーダイヤルも設けています」(トラストパーク)

 また、「今回の事業は電気自動車などの普及を見据えたものではない」としたうえで、「現在も車中泊用に電源を提供している施設では、供給が需要に追い付かず、譲り合って使用しているような状況も見られます。今後は電源設備付き駐車場がさらに普及すると見込んでいます」と話します。

 なおトラストパークによると、この「車泊」の実証実験は2018年1月末でいったん終了し、効果を取りまとめるといいます。それまではキャンペーンとして正規料金の半額あるいはそれ以下、場所によっては自治体条例に基づき無料としているところもあるそうです。「実験終了後の展開を見据え、九州以外の自治体にも提案しています」といい、将来的には全国でサービスが展開されるかもしれません。

【了】
提供:乗りものニュース

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