「東京モーターショー2017」総括、言うほど悪くない? ショーウォッチャーはこう見た
トレンドに乗ったのは日産と三菱とホンダ
世界のトレンドにすっかり乗ったのが日産と三菱自動車、そしてホンダです。
日産は自動運転技術を搭載したクロスオーバーEVのコンセプト「IMx」。三菱自動車からは、AI技術を搭載したクロスオーバーEVのコンセプト「e-EVOUTION」が出品されています。どちらも、ルーフのシルエットは流麗でクーペのよう。ちなみにアウディのAI搭載EVコンセプト「Elaine」もクーペライクなクロスオーバー。しかも、3社のブース配置は通路を挟んで向かい合わせ。トレンドど真ん中といった景色が楽しめました。
ホンダは、「フランクフルトモーターショー(IAA)」で発表したEVコンセプト「アーバンEVコンセプト」と、その派生のスポーツモデル「スポーツEVコンセプト」を出品。もちろん自動運転技術が搭載されています。また今回、ホンダは「アーバンEVコンセプト」を2020年に日本に導入すると発表しています。「EVシフト」に合流する姿勢をホンダは見せてくれたのです。
独自路線を見せたマツダ、スバル、スズキとダイハツ
世界のトレンドとは距離を置き、デザインコンセプトを出品したのがマツダとスバルです。マツダは次世代の自車デザインを示唆する「VISION COUPE」。スバルは未来のスポーツセダンをイメージさせる「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」です。特にマツダのデザインコンセプトは、前回の「東京モーターショー」と同様に非常に評価が高かったようで、あちらこちらで「格好良い」という声を聞きました。
スズキは「XBEE」と「スペーシア」という2台の量産直前のクルマを出品。2018年1月の、スズキ恒例の初売りの目玉となることでしょう。
ダイハツは5台ものコンセプトを出品。特に人目を引いたのは1960年代のダイハツの名車「コンパーノ」を現代に復刻させるコンセプト「DN COMPAGNO」。非常に夢のあるクルマです。
マツダ、スバル、スズキ、ダイハツは、正直、会社の規模が小さいため、「電動化」「知能化」「コネクテッド」を自社だけで追及するのは無理があります。「それならば、別の方法で!」という出展でしたが、それはそれで面白い内容だったと思います。