「東京モーターショー2017」総括、言うほど悪くない? ショーウォッチャーはこう見た
日本を代表してトヨタがアピールしたのは
トヨタのブースは、ボリュームも内容もたっぷり。新たに立ち上げたスポーツブランドであるGRを並べたエリアもあれば、「センチュリー」や「クラウン」、「JPNタクシー」といった新しい量産モデルもあります。さらにEVコンセプトである「Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズにFCV(燃料電池車)コンセプトの「FINE-Comfort Ride」とFCVバスの「SORA」。いろいろありすぎて、総花的にも見えてしまいます。
しかし、ディディエ・ルロワ副社長が登場したプレスカンファレンスを要約すると「トヨタは電動化/知能化/コネクテッドというトレンドもおさえる。EVの技術は持っているし、次世代に向けてちゃんと準備はしている。ただし、日本の大方針であるFCV(燃料電池車)には、力を注ぎ続ける」というものでした。プレスカンファレンスに豊田章男社長ではなく、フランス人の副社長が登壇したのは、欧州へのアピールを優先したからとか。確かに2015年のイチロー選手と章男社長の日本語でのかけあいプレスカンファレンスは、欧州の記者に興味を抱いてもらえなかったことでしょう。それだけ今回は、欧州へのアピールを真剣に考えていたのでしょう。
世界のトレンドに対する、それぞれのメーカーの対応と考えが楽しめたのが、「東京モーターショー2017」でした。ちなみに10日間で77万人の来場者数は、それほど悪くない数字だと思います。9月にドイツで開催された「フランクフルトモーターショー」ですら、動員は10日間の開催で81万人。「東京モーターショー」の来場者数は、それほど見劣るわけではないのです。
それに1日あたり10万人も来場すると、人が多すぎて展示車両をまともに見ることもできません。主催者の立場からすると、来場者数は多い方がよいでしょうが、見に行く立場からいえば、今くらいが限界なのでは。「これ以上、混んでいるショーには、あまり行きたくないな」というのが正直なところです。
【了】
提供:乗りものニュース