何かと話題になるけど… 「トヨタ会長・豊田章男」とはどんな人物? 会長だけじゃない肩書、意外な素顔とは
「“究極”の客寄せパンダ?」ってどういうこと?
そして最後は「公私共に軸が全くブレていない」事です。
章男さんの行動すべては「自分以外の誰かのため」、つまり「Youの視点」で行なわれています。
これはトヨタの経営理念である「幸せの量産」、そしてクルマを走らせる550万人に対する「ジャパンLOVE」にも繋がっています。
章男さんは会長になった今も様々な肩書・顔を持っていますが、それらを引き受ける根底は、ここにあると筆者は考えています。
そんな章男さんは、社長時代よりも率先してモータースポーツをはじめとする様々なイベントに顔を出しています。
それは自分が目立ちたいわけではなく、自分の知名度を活かして、「モータースポーツをもっと好きになってほしい」、「アスリートであるドライバーにもっと光が当たってほしい」、「来場者にもっと喜んでいただきたい」と言った強い想いからです。
要するに、みんなの喜びのためなら「自分は“究極”の客寄せパンダを演じる」と言う事なのでしょう。
直近では、8月17日に富士スピードウェイで開催された「TGDP夏祭り」にも参加。
それだけでなくTGRドライバーたちの運転を助手席で体験できる同乗走行「サーキットエクスペリエンス」に飛び入りでドライバーも担当(同乗できた人は超ラッキーでした)。
ただ、ほとんど知られていませんが、レースやイベントの合間に章男さんは何をしているかと言うと、土日や休日など全く関係なく“通常業務”を行なっています。
バックヤードに分刻みでひっ切り無しにやってくる社員の姿を見ると、まさに「章男クリニック」と言ってもいいかもしれません。
ただ、社員は治療されスッキリして帰ってきますが、肝心な章男さんを治療する人は誰もおらず。
恐らく、体力的・精神的にも辛いはずですが、そんな中でも「自分が役に立てるならば」と、そんな素振りを一切見せることなく、常に満面の笑顔でみんなの前に表れて楽しませ、喜ばせるのです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
「豊田氏」と「章男さん」を使い分けられている意味を知りたいです