日本の高級車を代表する1つとして、キャッチコピー「いつかはクラウン」で広く認知されているトヨタ「クラウン」があります。
　
　そんなクラウンの最上級モデルとして、かつて「クラウン マジェスタ（以下、マジェスタ）」が存在していました。
　
　同車の高級サルーンを象徴する大排気量エンジンや、高級素材と当時の最新装備が用いられた豪華な内装に、ユーザーから多くの反響が集まっています。

　マジェスタは1991年に9代目クラウンと同時にデビューしました。

　4リッターV型8気筒エンジンを搭載し、エレクトロマルチビジョンや運転席エアバッグなどの豪華な装備を標準装備しており、クラウンシリーズのトップモデルとしての地位を確立しました。

　このモデルの登場は、1989年に発表された「セルシオ」の影響を強く受けています。

　セルシオは、北米市場でレクサスブランドのフラッグシップモデル「LS」としてデビューし、欧米の高級車に匹敵する性能を誇りました。

　このモデルは日本車のイメージを一新しましたが、日本市場ではレクサスブランドが存在しなかったため、トヨタブランドから販売されています。

　この時クラウンの立場が危うくなると考えたトヨタは、8代目クラウンに4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「4000 ロイヤルサルーンG」を最上級グレードとして追加し、クラウンの存在感を維持。

　そしてマジェスタは、この「4000 ロイヤルサルーンG」の後継モデルとして登場し、クラウンが国産最高級車であることを証明する役割を担いました。

　その後、クラウンのフルモデルチェンジに合わせてマジェスタも進化し、V型8気筒エンジンやクラウンを超える機能装備が特徴となったのです。

　特に2004年に登場した4代目マジェスタには、VDIM（車両統合制御システム）やレーダークルーズコントロールなど、当時の最先端システムが世界初で量産車に搭載されました。

　しかし、2013年に登場した13代目クラウンからは、マジェスタは独立したモデルではなく、「ロイヤル」や「アスリート」と並ぶシリーズの1つとなり、2018年の14代目クラウンで「マジェスタ」の名は消滅しました。

　なお、2022年に登場した16代目クラウンでも、日本国内では「マジェスタ」の名は復活しません。

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　マジェスタに対して、ネット上では「今の時代でも古さを感じないしV8で4.3リッターエンジンは魅力的だなあ」「トヨタV8は静かで初めて乗った時に感動した」「やっぱり高級車にはV8積んで欲しいよなあ…」など、今では絶滅危惧種のV型8エンジンを惜しむコメントが多く寄せられています。

　また「15年ほど前にマジェスタに乗っていましたが、いつかまた乗りたいなあと思うくらいいいクルマでした」「130系に乗っていましたが、静粛性たるやロードノイズ含め、今まで乗ったクルマで一番良かった」「足回りは時代的にふわふわだったけれど静粛性、踏み込んだ時の加速はさすがでした」など、実際に所有されていたユーザーのリアルな意見も。

　一方で「今だとガソリン代高いから、すぐ財布が枯渇しそう」「V8だと税金いくらなんだろう…」「13年すぎると税金上がるし、燃費も悪いし、いいクルマでも昔のクルマを所有しにくい世の中だよなあ」と、維持するにあたって、昨今の物価高や昔と比べて高額な税金を懸念する声も見られました。