トヨタが「新型GR86」発表! 「走りの変化」が凄い! 「登場“3年目”の改良」で何が変わった?
トヨタ「GR86」の2024年モデルに、早速試乗してみました。通算3回目の改良では、どのような点が変化したのでしょうか。
新型「GR86」登場! 「通算3回目」の改良で何が変わった?
2021年に登場したトヨタ「GR86」が3回目の改良(通称:2024モデル)を行いました。
2012年にデビューしたトヨタ「86」時代から「スポーツカーは育てる必要がある」とほぼ毎年進化を続けてきましたが、今回はどういった改良が施されたのでしょうか。
まず内外装ですが、デザイン的な変更はありません。
従来モデルとの唯一の違いは、インテリアの「ウインカーレバーの操作方式(リターン式からロック式に)」変更されたのみ。
この辺りを開発責任者・藤原 裕也氏に聞くと、「GRモデルに共通するのは“機能”のための進化です。今回も様々なモータースポーツで鍛えて得た学びをフィードバックさせていますが、意匠に関しては変える必要がなかったとご理解ください」と話します。
では、肝心な機能の進化を見ていきましょう。
パワートレインはMTのスロットルレスポンス向上が行われています。元々GR86はレスポンス重視の味付けでしたが、前回の改良(2023モデル)でリニア方向に変更しましたが、わずか1年で再び変更しています。
「わかりやすくいえば、初期モデルのいい所と2023年モデルのいい所を融合させた特性ですね。加えて、シフトダウン時にブリッピング操作を行なう際に回転を合わせやすいように変更もしています」(開発責任者 藤原氏)
最新エンジンは排ガス対応の影響で回転上昇が遅いので、ブリッピングのリズムが取りづらいですが、GR86はワイヤースロットル(機械式スロットル)のようなレスポンスをデジタル(電子スロットル)で再現させたわけです。
一方、AT車は「マニュアルシフト時のダウンシフト制御許容回転数の拡大(一律制限を、ブレーキ開度や減速度から総合的に判断)」が行われています。
フットワークは「電動パワーステアリング(EPS)のアシスト特性最適化」と「ダンパー減衰力最適化」が行われています。
もう少し具体的にいうと、EPS制御は最新トヨタ車がこだわっている「直結感(タイヤの状況がわかりやすい)アップ」と「ハイグリップタイヤや高負荷・高速領域でもリニアなアシスト」を目指した制御に変更。
ダンパーはGR86のメリハリある走りはそのままに、サーキットのようなフラット路面だけでなく荒れた路面での走破性を高めた味付けに変更。リアダンパーを中心に全体のバランスを整えたセットアップだといいます。
藤原氏は「発売開始後もサーキットに加えて、ダートや未舗装路など様々な走り込みを行い、そこでの知見をフィードバックさせています」と教えてくれました。
ちなみに「TGRラリーチャレンジ」に参戦している佐々木 雅弘選手(GR86の開発も担当)は以前、「ノーマルダンパーでもここまで走れることを証明したい」と筆者(自動車研究家 山本シンヤ)に教えてくれましたが、この時藤原氏も何度かラリーに帯同していた事を思い出しました。
今思えば、あのダンパーが今回の先行開発品だったんだな…と思います。
ただ、初代の前期から後期への進化と比べると、変化感が少なめに感じる人もいるでしょう。
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