三菱「新型アウトランダー」発表へ!? 新型「デリカ」も2030年までに投入か! 新型「パジェロS」にも期待大の「モメンタム2030」米で発表
三菱自動車は2024年5月16日、北米における2030年に向けた5カ年計画「モメンタム2030」を発表しました。ここではいくつかの新型車が2030年までに登場することが含まれていましたが、どのようなクルマたちなのでしょうか。考察します。
三菱が新型車を“5台”投入へ…どんなクルマ?
三菱自動車は2024年5月16日、北米における2030年に向けた5カ年計画「モメンタム2030」を発表しました。
その内容において電動車比率の拡大など自動車業界のいまを反映したメッセージとともに注目されるのは、新型車の計画。
「現在販売していないセグメントの2台の新型を投入する」ことと「2026年度から2030年度まで毎年1台の新型車または全面改良モデルを投入する」ということが明らかになり、結果として2030年におけるラインナップは「現在の4車種からほぼ倍増する」としています。
筆者が興味深いのはやはり「現在販売していないセグメントの2台の新型車」。果たしてどんな車種が考えられるのでしょう。
参考までに同車は現在北米向けに用意している車種を再確認すると、小さいほうから順に「ミラージュ&ミラージュG4(ミラージュのセダン)」、「アウトランダースポーツ(日本名:RVR)」、「エクリプスクロス」、そして「アウトランダー&アウトランダーPHEV」となります。
すなわち、「2台の新型車」はそれらと競合しないジャンルということになります。
同時に公開された写真を見ると、1列目の左右にミドルクラス以上に見えるSUVが映っているのがわかります。左右の車両を見比べるとルーフレールの有無など差異はありますが、同じ車種のような印象。
そしてアンテナやリアフェンダーなど見える範囲の細部の作り込みから鑑みるとある程度デザインが完成された車両のようにも思えますが、果たしてどんなクルマなのでしょうか。
メーカーからの公式な説明がないのでここから先はあくまで推測となりますが、このSUVに関しては2つの方向性が考えられます。ひとつは次期型「アウトランダー」。そしてもうひとつはこれから登場する「アウトランダーとは別の新型車」です。
現行型アウトランダーのデビューは2021年で、確かに2030年までには新型が登場するでしょう。しかし、今回の5カ年計画のイメージ写真としてはそれでは少し物足りない気がします。別のSUVと考えるのが自然ではないでしょうか。
筆者の見立ては「パジェロスポーツ」です。パジェロスポーツとはピックアップトラックである「トライトン」のコンポーネントを使って仕立てたフレーム構造のSUV。現在タイなどで販売しているモデルは先代トライトンをベースとしたものですが、しばらくすると現行トライトンをベースとした次世代モデルへとバトンタッチする見込みです。
そんなパジェロスポーツの新型がアメリカにも導入されるとなれば、「現在販売していないセグメントの2台の新型車」という条件にも当てはまり、可能性が高いのではないでしょうか。
ちなみにパジェロスポーツは、かつて「チャレンジャー」として日本でも販売されていた世代が「モンテロスポーツ」として北米にも導入されていました。
明らかなのは、北米でのSUV熱は高く、三菱も北米市場でSUVのラインナップを増やしたいと願っていることでしょう。
余談ですが、次期パジェロスポーツは日本へ導入される可能性も高そうです。
そしてイメージ写真には、中央のもっとも目立つ場所に背の高いクルマがあります。話の流れからするとこれも「現在販売していないセグメントの2台の新型車」と考えていいでしょう。
このクルマに関しては、見た瞬間にピンと来る三菱ファンやクルマ好きも多いかもしれません。ヒントは「背が高く四角いボディ」と「特徴的なライトの光り方」で、それらを兼ね備える車両は昨年の東京モビリティショーでコンセプトカーとして展示されていました。「MITSUBISHI D:X Concept」です。
同車は直接市販車には結びつかない純粋なコンセプトカーと思われますが、デリカD:5の次期モデルを示唆しているのは明白。パワートレインはPHEV(プラグインハイブリッド)とされています。
たしかに2030年までにデリカD:5のフルモデルチェンジがおこなわれる可能性は高いですが、いっぽうで引っかかるのはそれが“北米へ投入されるのか?“ということ。
ちなみに過去を振り返ると、デリカは80年代から90年代のはじめにかけてのスターワゴン時代に北米で販売されていたことがありますが、デリカD:5になってからは北米には導入されていません。
現在、北米ではミニバン人気が下火となり、アメリカンブランドで販売しているミニバンは「ボイジャー」の後継となる「パシフィカ」のみ。ほかはトヨタ「シエナ」やホンダ「オデッセイ」をはじめとする日本と韓国のブランドです。
果たして三菱はそのジャンル、もしくは「ミニバンオフローダー」という新しいジャンルを切り開いて次期型デリカD:5を投入しようと考えているのでしょうか。
ちなみにアメリカのミニバンはフルサイズが基本で、シエナもオデッセイも全幅は約2mで全長は5.1mを超えます。
もし三菱が次期型デリカD:5を北米に投入するのであれば、そういったサイズ感も気になるところ。「SUV×ミニバン」というキャラクターも含めてニッチな市場を狙うというのであれば、それより小さなサイズも考えられますが……果たしてどうなるのでしょう。
もしかすると、公開された写真はあくまでイメージであり、実際に発売される車両とはジャンルも含めて全く異なるということも考えられますが……。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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