物流“2024年問題”対策!? 高速道の大型トラック最高速「90キロ」に引き上げへ 「80キロ規制」撤廃で何が変わるのか

規制が緩和されても実態は変わらない!?

 全日本トラック協会では、物流の“2024年問題”が一般ユーザー与える具体的な影響として「当日、翌日配達の宅配サービスが受けられないかもしれない」「水産品、青果物など新鮮なものが手に入らなくなるかもしれない」といった例を挙げています。

 そうした事態を防ぐために、全日本トラック協会では一般ユーザーに対して「再配達を減らす配慮」や「まとめ買い(まとめ注文)による運送回数の削減」などの協力を求めています。

我々の生活を支えてくれている物流の大型トラック[イメージ画像:AdobeStock]
我々の生活を支えてくれている物流の大型トラック[イメージ画像:AdobeStock]

 もちろん、高速道路における中型・大型トラックの最高速度規制が緩和されることによって、こうした事態は即座に解消されるわけではないのも事実です。

 むしろ、トラックドライバーに対する身体的負担の増加や、それにともなう事故の増加の可能性を指摘する声も少なくありません。

 さらに、トラック事業者の多くが独自の最高速度規制を設けていることから、実態としては大きな変化はないという見方もあります。

 物流の“2024年問題”は非常に複雑かつ困難な問題であるため、最高速度規制の緩和が与える影響も限定的であると言わざるを得ません。

 言い方を変えれば、高速道路における中型・大型トラックの最高速度規制の緩和は現在の生活を劇的に改善させるものではなく、あくまで対症療法的なものにすぎないということです。

 少子高齢化が今後も進むことを考えると、物流の“2024年問題”の根本的な解決を図るためには、DX(デジタル・トランスフォーメーション)による物流システム全体の効率化や、自動運転技術の活用による省人力化などが必須です。

 もちろん、トラック事業者や荷主、一般ユーザーの意識改革が必要なことは言うまでもありません。

 ただ、そうした取組みが奏功すれば物流の“2024年問題”もじょじょに解消していくと見られます。

 今回の規制緩和は、物流を取り巻く問題を劇的に改善するものではありませんが、将来に向けた時間稼ぎという意味合いでは、一定の効果が得られるものと言えそうです。

※ ※ ※

 乗用車においても、動力性能の向上に加え、衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全運転支援技術の進歩などの影響から、高速道路における最高速度規制は緩和傾向にあります。

 一方、衝突時の衝撃は速度に比例して大きくなるのも事実で、特に重量がかさむ大型トラックの場合は顕著といえます。

 最高速度の制限に関するメリットとデメリットのバランスについては、すべてのユーザーが検討していくべき大きな課題となっています。

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4件のコメント

  1. 速度引き上げ反対。
    トラック運転手のモラル、安全運転意識を変えるのが先だろ。物流問題?そんなもん、どこも人手不足だよ。トラック運転手が嫌なら勉強頑張ることだね。

  2. 現在の技術では運転中は自動運転でも乗務中になるので、完全な自動運転で高速道路だけはトラックの中で寝てても良いのであれば問題は大きく改善される。市街地は流石に自動運転ではまだまだ対応しきれないので、高速道路での大型トラックの自動運転を先に実用化させればよい。
    そして自動運転中の事故に関してはメーカーが責任を負う形でドライバーの拘束時間を減らせば、東京-青森間の輸送も1日の運行として十分に対応できるだろう。現状では東京から1日で運行できるのはせいぜい盛岡まで。青森からだと白河(福島)くらいまでだ。
    その前にできることは荷主に待ち時間ゼロ。全ての荷役はフォークリフトで荷主がやるという法制化が先だな。ドライバーに荷役をさせている流通業は全て改善命令。できないなら事業取り消し。

  3. 燃料高等で速度上げるわけないだろ!経験もない、やったことがない者が決めてどうするの?

  4. トラックによる追突事故が大幅に増えるだけ

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