物流“2024年問題”対策!? 高速道の大型トラック最高速「90キロ」に引き上げへ 「80キロ規制」撤廃で何が変わるのか
「物流の“2024年問題”」に対する解決策のひとつとして、2024年4月1日より高速道路における中型・大型トラックの最高速度が時速80キロから90キロへと引き上げられています。これにより、一般のユーザーの生活はどのように変化するのでしょうか。
「えっ…!」トラックの速度制限を上げれば労働環境が「改善される」!?
2024年4月1日より、高速道路における中型・大型トラックの最高速度が80km/hから90km/hへと引き上げられました。
この背景にあるのは、いわゆる「物流の“2024年問題”」です。
![日本の物流を支える大型トラックは「2024年問題」でどうなっていくのか[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/08/20230831_Highway_Traffic_Track_001.jpg?v=1693465192)
2024年4月1日から働き方改革関連法が施行されることに伴い、トラックドライバーの労働時間に対してさらに厳しい制約が課されることになります。
トラックドライバーは、ほかの業態に比べて労働時間が長くなりやすい傾向があり、過剰労働に起因する痛ましい事故も発生していることから、こうした規制自体は必要不可欠なものです。
一方、トラックドライバーの労働時間短縮による現実的な問題として、物流量の減少による物流業者の売上減少およびトラックドライバーの収入減少、それにともなうトラックドライバー自体の減少が考えられます。
また一般のユーザーにとっては、物流の遅延や配送料の値上げなどといった影響が発生する可能性があります。
実際、政府の試算によれば、こうした物流の“2024年問題”に対策を行わなかった場合、2030年度の輸送能力は2019年度比で34.1%減少する可能性があることが指摘されています。
高速道路における大型トラックの最高速度引き上げは、物流の“2024年問題”に対する打ち手のひとつという側面が強いとされています。
たとえば、現行法ではトラックドライバーの1日の連続運転時間は最大4時間とされていますが、80km/hと90km/hで4時間走行した場合、それぞれの移動距離には40kmの差が生じます。
これはあくまで単純計算ではありますが、最高速度の引き上げは輸送能力の改善に貢献するものであることは事実です。
なお、労働時間制限についてはすべてのトラックドライバーに適用されますが、高速道路の最高速度の引き上げは総重量8トン以上の中型・大型トラックのみに適用されるものとなっています。


























