湾岸線の無料道路の「横須賀延伸」工事進行中!? 八景島から日産工場へ直結「国道357号」延伸 どこまで進んでいるのか
首都高湾岸線の「無料の側道」として並行する、国道357号(東京湾岸道路)。横須賀市内へ延伸する予定ですが、計画はいったいどこまで進んでいるのでしょうか。
湾岸線の「無料部」は横須賀市内へ
首都高湾岸線の「無料の側道」として並行する、国道357号(東京湾岸道路)。千葉県内から羽田空港に至るまでぐるっと繋がっていて、横浜方面へも順次事業中です。
その東京湾岸道路、最終的には横須賀市へ延伸する予定です。この延伸事業、いったいどこまで進んでいるのでしょうか。
国道357号は千葉市から東京都内の湾岸部を経由し、神奈川県横須賀市に至る長さ約80kmの道路です。1993年度に八景島まで開通し、あとは橋を1本架けて、横須賀市夏島まで延伸するだけの状況です。
関東地方整備局の「広域ビジョン」では、さらに横須賀市中心部へ延伸する構想もありますが、今のところ基礎検討も始まっていません。
さて、夏島のある追浜エリア一帯は、日産の追浜工場の広大な敷地が広がっています。自動車の製造工場にとどまらず、テストコースのある試験場や、先端技術を開発する総合研究所なども備え、重要拠点のひとつとなっています。
一大工業地帯として多数の工業従事者を抱える追浜は、地域を結ぶ鉄道路線の京浜急行線も朝夕は快特から特急に切り替わり、最寄りの追浜駅を含め停車本数を大幅に増加させて対応しているほどです。
ここへ直結する形になるのが、八景島~夏島延伸です。京浜工業地帯・京葉工業地帯をドアツードアでむすぶ路線となり、アクセスが飛躍的に向上します。八景島で30年以上、中途半端な「謎のUターン道路」で途切れている国道357号。いよいよ延伸に向けて本格化していきます。
現状で横浜~横須賀の短中距離移動を担っているのが、国道16号です。一部で4車線化されているものの、まだまだ旧態依然とした2車線道路のままで、君ヶ崎や青砥坂など、主要渋滞区間を多数抱える混雑路線です。
また、地域特有の急峻な山がちの地形のため、国道16号には多数のトンネルがあります。これが昔ながらの構造で、老朽化だけでなく、高さ制限でトレーラーが通れないという致命的な問題もあり、工業地帯の輸送環境の課題となっています。また、大雨等で土砂崩れが起きるリスクも抱えた路線です。
夏島延伸は、これらの課題に対応し、広域ネットワークである横浜横須賀道路の補完路線となることが期待されています。
気になる進捗ですが、着工したのが2018年。それから6年目となり、まだ橋の本体工事には至っていません。そのあいだ、追浜側で新道路を受け入れる駅前道路の「夏島交差点」が、左折レーン追加などの改修工事を完成させています。
八景島から夏島に渡る橋梁工事はどうなっているのでしょうか。横浜国道事務所は「現在、橋脚工事などを行う準備段階として、支障となる水路などの撤去作業をしているところです」と話します。
橋の本体については「どんな橋の構造にするかを含めて、設計検討をおこなっている段階です」とのこと。設計図や完成イメージが公開されるのは、もう少しあとのことになりそうです。ただ、羽田~浮島の未開通部と合わせて、「湾岸線の側道」の整備事業は、少しずつ前進しています。
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