日産が新「マーチ」初公開!? オシャな「“2人乗り”小型商用車」に大変身? 冷蔵庫完備する充実の「ウッド内装」とは

車外には“お品書き”が記せる「黒板」も装備!

 マーチ パティシエ コンセプトは外装にも手が加えられています。

 後席のサイドウインドウに黒板がはめ込めるようになっていて、パティシエがメニューを書き込んで看板として使うことを想定しているそう。

 マグネットでくっつくので、走行するときは取り外せるようになっていました。

2シーター仕様とし荷室を拡大! EVのバッテリーをリサイクルした電源と大型冷蔵庫を装備します
2シーター仕様とし荷室を拡大! EVのバッテリーをリサイクルした電源と大型冷蔵庫を装備します

 後席シートがあった場所には、シュークリームならば100個は入るという大きな冷蔵庫を設置。

 その電源は、日産のバッテリーEV(電気自動車)「リーフ」の中古バッテリーを再生してつくったポータブル電源です。

 しかし今回はベース車にマーチを選んだのはどういう理由だったのでしょうか

「まず、マーチのレトロな雰囲気がコンセプトとぴったりマッチしていました。

 そして重要なのは、中古車の現存数が安定しているクルマであることです。

 将来的にビジネス化するためには、ベースとなるクルマがある程度手に入りやすい状態でなければなりません。

 K13マーチは販売終了間際でも月に800台ほど売れており、ベース車として合格点でした」(前出の岩片氏)

 ほかにも「(一応売れてはいたが)不人気とされていたクルマをカスタマイズしたら人気が出るのか」という裏のテーマもあったと、岩片氏はこっそり教えてくれました。

 今回トライアル販売が発表されたキューブ レトロ リノベーションのベース車であるZ12キューブにしても、モデル末期は人気が低下してしまったものの、国内で多く売れた車種であり、いつの時代に見ても飽きのこないタイムレスなデザインが秀逸でした。

 素のデザインのよさを活かしたカスタムを施せば、中古車であっても魅力を復活できるとメーカー自身が証明することには、大きな意義があると筆者(吉川賢一)は考えます。

 カスタマイズの力でどこまでイメージを高められるか、日産 商品企画チームの腕が試されています。

※ ※ ※

 この日産中古車プロジェクトの第3弾があるのかは、いまのところ明らかにされていません。

 岩片氏は「個人的な考えですが」と前置きしながらも、次はミディアムSUVの「エクストレイル」2代目(T31型)あたりでやってみたいと話していました。

 次はどの日産車が選ばれるのか、非常に楽しみなところです。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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