中古車相場が数年ぶりに「安定」!? 一方で「買取り相場」は下降? 異常すぎた「中古車高騰」が落ち着いた“複雑な事情”とは

時々、ディーラーが「元試乗車」を中古車として販売していることを目にすることがありますが、元試乗車を購入することに一体どのようなメリットやデメリットはあるのでしょうか。

下取り相場とロシア軍の意外な関係性とは!?

 クルマの下取り価格(買い取り査定額)は一般に、年式や走行距離、オプションの種類、傷や修復歴などに左右されるといわれていますが、実はそれよりも大きく影響するものがあります。
 
 特に昨今はさらに複雑な事情が重なり、数年ぶりに中古車流通相場にも変化が起きたことで、大きく状況が変わっているようです。

[画像はイメージです]
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 下取り価格に大きく影響するものとしては、前述した車両のコンディションに加え、中古車販売店における人気・不人気車種といったトレンドがあります。

 しかし近年はこうした国内の需要よりも、海外への輸出に対する影響が、相場を大きく左右するようになっているといいます。

 以前、中古車の輸出事情に精通する自動車買い取り専門店に話を聞いたところ、担当者は次のように説明していました。

「日本の中古車が最も多く輸出されていく国はロシアです。

 ロシアにとっては良質な日本の中古車が安く手に入り、日本にとっては中古車が減ることで新車需要が増す、というサイクルが回っていたため、長い間、ロシアとの間で中古車輸出入のビジネスが成り立っていました」

 ところが2022年2月から続くロシアのウクライナへの軍事侵攻によって、状況が変わってきているといいます。

 2023年8月9日、日本政府は1900cc以上の乗用車およびハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、バッテリーEVのロシアへの輸出を禁止しました。

 前出の担当者に改めて聞いたところ、以下のように話します。

「これまでロシアへは、コンパクトハイブリッドカーのトヨタ『アクア』や日産『ノートe-POWER』、コンパクトミニバンのホンダ『フリード ハイブリッド』といった小型車から、日産『エクストレイル』やスバル『フォレスター』、トヨタ『ランドクルーザープラド』といったミドルクラス以上のSUV、また、トヨタ『ノア/ヴォクシー』やホンダ『ステップワゴン』といったミニバン、はたまた日産「リーフ」のようなバッテリーEVまで、あらゆる中古車が輸出されていました」

 ロシアでの人気車種は幅が広く、国内ではあまり人気のないモデルでも、需要が高いケースが多いといいます。

 また比較的走行距離が多く市場価値が落ちるようなクルマでも、ロシアでは十分に需要があり、やはり中古車相場を底支えするのに大きく貢献していたようです。

 しかし前述のクルマが8月から輸出できなくなったことで、ロシアへの中古車の供給は急激に減少してしまったのです。

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