中古車相場が数年ぶりに「安定」!? 一方で「買取り相場」は下降? 異常すぎた「中古車高騰」が落ち着いた“複雑な事情”とは
中古車相場は以前に増して世界の情勢にあわせ変動するように
2023年11月現在、対ロシアに向けた中古車事情は大きく変わってしまいました。
担当者は「今かろうじてロシアへ輸出されているのは、コンパクトカーのトヨタ『ヴィッツ』や日産『ノート』、コンパクトSUVのトヨタ『ライズ』など、いずれも小排気量ガソリン車のみとなっています」と、現在の状況を話します。
国内の中古車流通相場で比較してみると、その差は歴然でした。
業者向けの中古車オークションでの相場で比べてみると、例えば2リッターから2.5リッタークラスのフォレスターの場合、2023年7月と2023年8月の1か月で、取引額は6割程度にまで下落してしまったといいます。
一方で、ロシアに次ぐ規模の中古車マーケットのあるマレーシアやシンガポール、バングラデシュといった国では好調が続いていました。
例えば、現地で人気の高い高級ミニバン、トヨタ「アルファード」(先代モデル)の場合、5年落ち・2018年式が中古車オークションで500万円を超えて落札された事例もあったといいます。
一方で、2022年秋頃から2023年初頭にかけ、コロナ禍による新車不足も重なったことで、中古車相場が急激に暴騰したことも記憶に新しいところです。
このように昨今の中古車の買い取り価格は、世界情勢や需要によって大きく左右されるため、時期によっても大きく変動してしまうのです。
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ロシアの規制から外れた純ガソリンのコンパクトカー相場が徐々に上がるなか、逆に規制対象となった車種の中古車相場は下落傾向にあり、下取り価格も以前より低くなっています。
その分中古車は買いやすくなっているといえ、ロシア向け輸出の需要が高く中古車価格が高値で安定していたモデルなどは、今が狙い目と考えることもできます。
前出の担当者はオススメ車種として、SUVのエクストレイルやフォレスター、ランドクルーザープラド、そしてハイブリッドのトヨタ「C-HR」などを挙げています。
手ごろな中古車を手に入れるなら、今のタイミングは久しぶりにやってきた「好機」といえるかもしれません。