ダイハツが新型「コペン」世界初公開!? 軽を超えた「次期型」登場? トヨタ「S-FR」と共同開発で市販化あるか

過去には軽自動車枠を超えたコペンがあった? どういうコト?

 中には「軽自動車枠を超えたコペンなんて……」と言う人もいるでしょうが、欧州向けには軽自動車枠を超えたモデルが発売されていました。

 見た目は日本向けのコペンのステアリング位置違いですが、エンジンは直列4気筒660ccターボではなく直列4気筒1.3リッター自然吸気を搭載。

 筆者は当時そのモデルをドイツで試乗した事がありますが、アウトバーンではメーター読みで190km/hを記録、高速での安定性も非常に高かった事を覚えています。

 実はダイハツは「日本でも商品化できないか?」といくつか提案も行なっています。

 2003年の東京モーターショーにトヨタ系のレーシングチーム&チューニングメーカーであるSARDとのタッグで「コペンSARDスペシャル」を参考出品。

 エンジンはYRV用の1.3リッターターボ、エクステリアはオーバーフェンダー&GTウイングが特徴でした。

 このモデルは実際に走行も可能で、全日本GT選手権(現スーパーGT)でデモランも行なっています。

 更に2005年の東京モーターショーには直列4気筒1.5リッターエンジン搭載&ワイドボディ化された「コペンZZ」を参考出品。

 より現実的なスタイルに量産化の期待も高まりましたが、残念ながら実現には至らずでした。

2022年WRC日本大会「ラリージャパン」に参加したダイハツ「コペン GRスポーツ」
2022年WRC日本大会「ラリージャパン」に参加したダイハツ「コペン GRスポーツ」

 あれから18年、ビジョン・コペンは再び軽自動車の枠を超える挑戦を行なった背景はどこにあるのでしょうか。

 近年のダイハツはコペン以外のモデルは実用車のイメージが強いですが、古くはモータースポーツに積極的に参加していました。

 1960年代にはポルシェやトヨタ、日産相手にP-5と呼ばれるレーシングカーで日本GPに参戦。

 ラリーは1970年代後半からサファリラリーに参戦。クラス優勝は当たり前で1993年には総合5~8位を記録しています。

 その後は国内競技に専念しますが、リーマンショックなどが原因で2009年に撤退。

 しかし、2022年にモータースポーツ活動を再開。ちなみにダイハツのホームページを見ると「DAIHATSU GAZOO Racing」の名の元に、様々な活動が行なわれています。

 その内容はTOYOTA GAZOO Racingと同じで、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」が目的となっています。

 現在はTGRラリーチャレンジや全日本ラリー、K4GPなどに参戦。昨年はWRCジャパンにも挑戦し見事に完走(クラス優勝)。

 ちなみに軽自動車でのWRC参戦は1993年のスバル「ヴィヴィオ」以来、ターマックラリーとしては初参戦となります。

 それに加えて、モータースポーツを楽しむ人の裾野を広げることを目的に、ノーマル車両でも気軽に参加できるサーキットイベント「Dスポーツ & ダイハツ チャレンジカップ」を開催。

 2023年は4回の開催ですが、毎回募集をかけると2-3日で枠が埋まるほどの人気イベントとなっています。

 筆者も1度参戦した事がありますが、「気軽に」と言いつつも、最上位クラスはマシンもドライバーもガチで驚きました。

※ ※ ※

 つまり、ビジョン・コペンはモータースポーツ活動による「気づき」や「経験」がフィードバックされていると予測します。

 そう考えると、「ボディサイズ」や「駆動方式」、「1.3Lエンジン」の提案も納得です。

 ただ、コペンの強みは「ガチ」、「ユル」どちらにも対応できるフレキシブルさと懐の深さだと思っているので、市販化の際にはスポーツ一辺倒にならないように開発を進めていただきたいと思っています。

 現時点では純粋なコンセプトモデルですが、皆で市販化のエールを。

【画像】「えっ…!」ダイハツが新型コペンを公開! 斬新デザインがこれです。(50枚以上)

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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2件のコメント

  1. いつも通り。
    そのまま出せばバカ売れするのに
    躊躇して変えて…駄作…w

  2. トヨタからセリカとして出てきたりして。

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