なぜ軽の売れ筋は「スーパーハイトワゴン」ばかり? ホンダ「N-BOX」みたいな“背の高い軽“に人気が集中する訳

軽自動車の人気が高まるなか、とくに売れているのが背が高くスライドドアを装着した「軽スーパーハイトワゴン」です。一体なぜ人気が集中するのでしょうか。

「軽スーパーハイトワゴン」なぜ人気?

 いま、軽自動車のなかでもっとも勢いがあるのがホンダ「N-BOX」です。ダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」が後に続きますが、販売ランキング上位の軽自動車は全高が1700mmを上まわり、後席スライドドアを装備した「軽スーパーハイトワゴン」です。
 
 軽自動車ではスーパーハイトワゴンが好調に売られる一方で、車種ごとの販売格差も広がっており、スーパーハイトワゴン以外の売れ行きが下がっているのです。

3代目となったホンダ新型「N-BOXカスタム」
3代目となったホンダ新型「N-BOXカスタム」

 顕著なのはホンダで、2023年度上半期の1か月平均販売台数を見ると、N-BOXは1万6735台でしたが、ハイトワゴンの「N-WGN」は2477台とN-BOXの15%でした。

 2代目N-BOXは2017年に登場しましたが、N-WGNが登場したのは2019年と設計が新しく、N-BOXに比べると天井は低いものの、4名で快適に乗車できます。収納設備が豊富に装着され、棚のように使える荷室も便利です。

 そしてN-WGNの価格は、同程度の装備を採用するグレード同士で比べると、N-BOXに比べて20万円以上も安く、N-WGNの割安感や優れた実用性を考えると、売れ行きがN-BOXの15%では少なすぎるでしょう。

 この売れ方を販売店ではどのように見ているでしょうか。ホンダの販売店スタッフは次のようにいいます。

「N-BOXは車内が広くて便利に使えるため、子育て世代のお客さまを中心に、以前から人気が圧倒的に高いです。立派な外観も人気ですし、高値で売却できることも魅力です。

 価格は高いですが、お客さまの半数が残価設定ローンを使うため、月々の返済額はN-WGNと比べてあまり差が付きません」

 そんななか、N-BOXが2023年10月6日に全面刷新し、3代目モデルが発売されました。残価設定ローンを利用して購入した場合、5年間/均等払いでの月々の返済額は、新型N-BOXの標準仕様が約2万3000円、一方のN-WGNのLは約2万円です。

「月々3000円の違いなら、便利で快適に使える人気のN-BOXが欲しい」と考えるユーザーは多いようです。

 ただし改めて計算すると、月々3000円の差額で5年間/60回払いなら、返済額の合計では18万円の差が生じます。しかも残価設定ローンでは、上記の金額を支払っただけでは車両が自分の所有にならず、返却することになります。

 所有権を手に入れるには、最後に残価を支払って買い取る必要があり、その金額は、5年間/60回払いの場合、新型N-BOXは約64万円でN-WGNは約49万円です。つまり月々の返済額に加えて、買い取る時の金額も新型N-BOXは15万円高いのです。

 このように新型N-BOXは、N-WGNに比べて明らかに高価格ですが、残価設定ローンを使うと「月々3000円の違い」になってしまいます。一種のマジックといえますが、実用性や価格以前の話として「軽自動車を買うならスーパーハイトワゴンのN-BOX」になっているようです。

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