すでに“左ハンドルモデル”も開発中？ センチュリー史上初の“グローバルモデル”

　2023年9月6日に、トヨタは新型最上級ショーファーカー「センチュリー」を世界初公開しました。かねてより登場が噂されていた、「センチュリーのSUV」ともいうべきモデルですが、トヨタではこのクルマをSUVと表現していないため、本記事では「新型センチュリー」と表記します。

　そんな新型センチュリーの公開時にトヨタは、「今後、お客様一人ひとりのご要望をお伺いしながら、グローバルでフルオーダーにお応えしていきます」と明言しており、グローバルでの展開を示唆していますが、事実なのでしょうか。

　センチュリーといえば、トヨタのショーファーカー（専属運転手がハンドルを握り、オーナーやゲストは主に後席へ乗る高級車）として、1967年に誕生した最上級セダン。

　唯一無二の「おもてなしの心」を備えた日本を代表するショーファーカーとして、日本のVIPに愛されてきたセンチュリーですが、現行モデルは2018年に登場した3代目となるセンチュリー（セダン）です。

　そして今回、セダンに加えて新たに追加された新型センチュリーは、「これからもセンチュリーがお客様のご期待を超えたおもてなしをお届けしていくために、どうあるべきか」をテーマに、移動時間を有効に活用し、車内での休憩や、オンライン会議に参加するなど、変化し多様化するショーファーカーニーズに答えるため、既存の4ドアセダンスタイルから、ボディ形状をより背の高いSUV風スタイルに変化させたモデルです。

　ボディサイズは、全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm。ホイールベースは2950mmで、巨大なボディサイズながら、乗車定員は4名と贅沢な設定です。

　エクステリアは、“威風凛然”をテーマに日本の美意識を随所にちりばめられた、品格のある佇まいが特徴的です。

　インテリアは、「人中心」の思想で設計された、快適な移動時間を実現する室内空間となっており、フルリクライニング可能なリアシートを採用するなど、後席に座るVIPが心からくつろげる機能を備えています。

　一方で後席だけでなく前席にも抜かりはなく、プロドライバーをしっかりサポートする機能や装備を集約し、使い勝手を高めたコックピットとなっているほか、ドライバーズカーとして走行を楽しむ十分な性能も併せ持っているといいます。

　これは近年、世界の高級車ブランドでラインナップの拡大が見られるSUVモデルにおいて、普段は後席に乗るVIPが休日は自ら運転し、アクティブに活用する機会も多いとの調査結果を受けて設計したためだといいます。

　パワートレインは、新開発された最高出力262馬力・最大トルク335Nmを発揮する3.5リッターV型6気筒エンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを搭載。これに組み合わされるトランスミッションは電気式CVTで、四輪駆動となっています。

　消費税込み価格は、トヨタブランドの中で最も高額な2500万円です。

　そんな新型センチュリーですが、トヨタはこのクルマについて、「今後、お客様一人ひとりのご要望をお伺いしながら、グローバルでフルオーダーにお応えし、より多くのお客様に『Freedom in motion 究極の移動の自由』をお届けしていきます」と説明しています。

　グローバルでの展開を示唆する記載ですが、実際に国外で販売するモデルとなるのでしょうか。

　これについてトヨタの商品企画担当者は、以下のように話します。

「（新型センチュリーは）実際にグローバルでの展開を想定しています。すでに左ハンドルモデルの開発も行っています」

　すでに開発が進んでおり、本格的にグローバルへの投入を行うようですが、歴代センチュリーが国内のみで展開されるモデルだっただけに、新型センチュリーは“センチュリー史上初”の世界で展開されるモデルとなります。

　今まで国外進出しなかったセンチュリーが、今後、群雄割拠の“ショーファーカー”市場でどのような評価を受けるのか、注目です。