日産が新型「スカイライン」発表! 唯一の「4ドアセダン」に「走りのNISMO」理由は? 9月発売へ
「GTカーの資質」を追求した走行性能は?
2023年7月に、新型スカイラインNISMOを日産のテストコースで試乗してみました。
パワートレインは3リッターV型6気筒ツインターボエンジンに7速ATを組み合わせ、FRという基本設定に変更はありませんが、最大出力420馬力・最大トルク550Nmの高性能を発揮します。
ベースとなったスポーティグレード「400R」を比較すると、15馬力・75Nmの大幅な出力向上を実現しました。
エンジン本体のパワーアップに加え、NISMO専用のATシフトプログラムにより、高速道路の追い越しやゆるやかな登り坂などでトルクを有効に使えるよう、低い回転数で大トルクを発揮するようにセッティングされています。
テストコースの登り坂コースではアクセルを踏み増したり、シフトダウンするといったことをせずスムーズに加速することができます。

また、専用開発タイヤは400Rよりもリアを20mm拡幅してグリップ力を高めるとともに、軽量・高剛性を両立したNISMO専用19インチホイールを装備。
加えて、サスペンションとスタビライザーに専用チューニングを施すことで、旋回時にロールを抑えつつも起伏のある路面で追従性を保ち、限界域まで安心して走行することが可能となりました。
テストコースではさまざまな起伏が再現された路面とともに、大小それぞれのコーナーが設けられ、低速から高速までの幅広い速度域で走行性能を確認できるようになっています。
スカイラインNISMOでは、これらの専用チューニングにより前席・後席ともに乗り心地を悪化させることなく、俊敏で軽快なハンドリングを実現しています。パイロンを等間隔に設けたスラローム路においても、揺り返しの少なくキレの良い動きを可能としています。
その他、耐フェード性に優れる摩擦材を使用したブレーキや、ABS・VDCなどの制御も最適化することで、コントロール性の向上を図り、サーキットでの使用にも耐えうる電子制御としています。
インテリアでは黒基調とすることで落ち着いてドライビングできる空間を実現。ドライバーシート周りでは280km/h表示のメーターやレッドリングのタコメーターを採用し、走行性能の高さを予感させています。
オプションで用意されるブラックのレカロ製スポーツシートはセンターに赤いアクセントカラーを配置。ヘッドレスト一体のバケット形状により、急旋回時のホールド性を確保したといいます。
先程のスラローム路においても、ステアリングの保持や視線、ドライバーの荷重が過度に移動することなく、安定した操作を実現していました。
一方で、座面は体圧を分散する構造によって、バケットシートにありがちな硬すぎるものではなく、あくまでもGTカーとしての性質を持たせているため、長時間の乗車においても疲れにくいという快適性も両立しています。
エクステリアは「GT-R NISMO」(2024年モデル)や「フェアレディZ NISMO」など、最新のNISMOロードカーのデザインを取り入れつつ、赤いGTバッジや歴代スカイラインをオマージュした意匠を各部に取り入れたNISMO専用エアロパーツを装備しています。
専用エアロパーツは重量増加を抑制しつつも、空力性能やラジエーターの冷却性能などの実用性も考慮されたデザインとなっています。
これらの専用内外装によって特別感を演出すると同時に、スカイラインの集大成であることを視覚的に示した仕上がりとなりました。
新型スカイラインNISMOは1000台限定販売で、価格は788万400円。9月上旬に発売予定です。
なお、スカイラインNISMOをさらに特別に仕立てた「LIMITED」を100台限定で2024年夏に用意する予定で、匠による手組みの高精度エンジンや職人による手作業で貼付したデカールなどがあしらわれています。こちらは947万9800円です。
※ ※ ※
「ドライビングプレジャー」を追求し、多くの自動車ファンを増やしたスカイラインの“集大成”として、ユーザーにどのように受け入れられていくか、注目が集まります。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。


































