日産が新型「スカイライン」発表! 唯一の「4ドアセダン」に「走りのNISMO」理由は? 9月発売へ
「スカイラインの原点」とは?
スカイラインの原点回帰を考える上で、1980年代後半から日産開発部門が提唱していた「P901活動」で実施していた方法を用い、ドライバーとクルマの対話を大切にするという方針を取ったといいます。
NMC チーフビークルエンジニア(CVE・開発責任者)長谷川 聡氏は以下のように話します。
「P901活動とは30年前、国産車の多くは欧州車に(走行性能面で)負けていたので、立ち向かえる、同じくらいの性能のクルマをつくりたいとしてはじまったプロジェクトの総称です。
1990年に日産車の走りが世界一になっていることを目標として、『Catch the GTI and 944』(フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」とポルシェ「944」のこと)を掲げ、今でいう深夜残業をかなりやって、日産の操縦安定性をよくしていた時代でした」
これにより、初代「プリメーラ(P10型)」やスカイライン(R32型)が誕生し、日産の走行性能が世界的に評価されました。

日産によれば、現在の多くのクルマがシミュレーションを用いて開発される一方で、P901活動時代と同様に、スカイラインNISMOでは実車を用いて度重なる走行テストを経るという愚直な開発を行ったと説明します。
ちなみに前出の神山氏は、このP901活動にも参加していたことから、そうした当時の状況も現在の開発陣に伝えられたといいます。
さらに集大成としての側面をもたせるべく、GTの赤バッジを装着し、スカイラインの歴史や日産においてのスカイラインの存在を改めて知ってもらうという目的もあると長谷川氏は話します。
「『赤いGTバッジって何だっけ』と(思ってもらい)、そのスカイラインの過去を紐とくトリガーに是非なってもらいたいと思うんです。
やはり日産で仕事してきた人間はスカイラインが好きで、特別な存在なんです。そしてユーザーの方が思ってる以上に、僕らも“スカイラインはこうでなきゃ”というイメージがあります。
情熱的なクルマ作りとか人とか、そういったところまで関心がもう1回さかのぼるといいなと。そうした呼び水になることを期待しています」
1957年の初代スカイライン登場後、70年近くも名称が続いているスカイラインは、日産だけでなく開発側としても強いこだわりやプライドがあるようです。
4ドアセダンとしての利便性と快適性、スポーティさという、GTカーとしてのスカイラインの原点をいちから考え直した上での結論が、このスカイラインNISMOで示されるということになります。


































