新型 超高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」で“車中泊”は可能!? グレードによって異なる「事情」とは

2023年6月21日に8年ぶりのフルモデルチェンジを実施したトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」ですが、余裕たっぷりな室内で「車中泊」をすることは可能なのでしょうか。

最上級「エグゼクティブラウンジ」2列目席はフラットに倒れない!?

 トヨタは2023年6月21日、高級ミニバンの「アルファード/ヴェルファイア」を8年ぶりにフルモデルチェンジしました。「快適な移動の幸せ」の追求をテーマに、高級セダンに匹敵する快適性を目指し開発され、デビュー早々に大きな反響を集めています。
 
 新型アルファード/ヴェルファイアは余裕ある空間の広さも魅力ですが、そんな室内で「車中泊」をすることは可能なのでしょうか。

トヨタ 新型「アルファード/ヴェルファイア」の上級仕様「Executive Lounge(エグゼクティブラウンジ)」のセカンドシートは背もたれが70度までしか倒れず「車中泊」には不向き!?
トヨタ 新型「アルファード/ヴェルファイア」の上級仕様「Executive Lounge(エグゼクティブラウンジ)」のセカンドシートは背もたれが70度までしか倒れず「車中泊」には不向き!?

 ミニバンタイプのクルマで車中泊をする場合、2列目席(セカンドシート)の形状によって寝心地が大きく左右されます。

 アルファード/ヴェルファイアでは、先代モデルまでラインナップされていた8人乗り仕様が車中泊の用途には向いていました。

 8人乗り仕様の場合、セカンドシートが3人掛けのベンチタイプとなります。

 これをベースに、1列目席(フロントシート)もしくは3列目席(サードシート)とともにシートを倒してフルフラットにすると、一体型の大きなベッドに早変わりできるのです。

 ただし新型アルファード/ヴェルファイアでは、セカンドシートが左右独立型「キャプテンシート」仕様のみの設定となりました。

 セカンドシートには「エグゼクティブパワーシート」「エグゼクティブラウンジシート」の2タイプが設定されています。

 ともに電動リクライニング機構やオットマン、大型の左右アームレスト、ロングスライド機構など様々な機能を備えた贅沢な造りが特徴です。

 反面、車中泊用として考えた場合には、この特徴がむしろデメリットとなるかもしれません。

 個々のシートには固定型のアームレストが備わるため左右幅が定まってしまい、「寝床」の幅が制約されてしまうためです。

 またトヨタによると、最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」に備わるエグゼクティブラウンジシートは、垂直から後ろに70度しか倒れない構造だといい、そもそもフルフラットにすることができません。

 ドライブの休憩時などに仮眠をとるくらいなら問題ありませんが、しっかり車中泊するとなると難があります。

 対するエグゼクティブパワーシートは、後方に89度倒すことが可能だとトヨタは説明します。

 なおフロントシートは91度まで、サードシートは93度まで倒すことができます。

 各シートのヘッドレストを外したり、シートスライドを適正位置にするなどの調整が必要ですが、エグゼクティブパワーシート仕様ならフロントシートとセカンドシート、もしくはセカンドシートとサードシートの組み合わせでフルフラットにして寝床とすることが可能となります。

※ ※ ※

 新型アルファード/ヴェルファイアは、シートのサポート性やかけ心地などを考慮した結果、先代に比べ座面の角度も適正に取られているなど、より立体的なシート形状に生まれ変わった印象です。

 したがってフルフラット状態にしても、各シートの背もたれと座面の高さの面などが完全にフラットに保てるわけではなく、寝床にはいくつかの凹凸が生じます。

 もともとベッド用に設計されたわけではないので当然のことですが、車中泊用に転用する場合は、寝床を補正する手当が必須となります。

 キャンプ用のエアマットなどを用いて極力凹凸をならすことで、より快適な寝床を生み出すことができるでしょう。

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