MTのみでアンダー100万円!? “激レア”すぎる三菱「ピスタチオ」が「めちゃ」すごかった! 20年以上前に超低燃費を達成した「独自技術」とは
超激レア! 意欲作ながらも販売台数はたった50台!?
ただし、当時の燃費測定方法は「10・15モード」でした。
その後、現実の運転パターンを反映したJC08モードへ、そして現在では国際基準に合わせたWLTCモードによって燃費が測られていますので、現代の燃費数値とは直接的な比較はできないことに注意が必要です。
あくまでも参考値となりますが、10・15モードからJC08モードへの換算では約1割、JC08モードからWLTCモードでは、約2~3割ほどそれぞれ燃費数値が悪化すると言われています。
そのおおまかな計算に準じれば、ピスタチオのWLTCモード燃費はおよそ18~21km/Lとなるようです。
トランスミッションは6速MTのみというのも、オートマチックトランスミッション(AT)の比率が高まった現在では考えにくく、時代を感じさせます。
現代では、MTの燃費と同等、もしくは凌駕するATも出現していますが、当時はまだ「ATはMTより燃費が悪い」という認識が強かったためでしょう。
ただし2000年頃は、AT車がすっかり普及していた時代だったことは付け加えておかねばなりません。
なお、参考までに2000年頃の「パジェロジュニア」「トッポBJワイド」の10・15モード燃費は、それぞれ14.4km/L(5速MT)~16.0km/L(4速AT)でしたので、ピスタチオは約2倍という大幅な燃費性能の向上を果たしていたことになります。
※ ※ ※
単にミニカそのままという訳ではなく、ピスタチオは外観上でも差別化が図られています。
オシャレな専用ボディカラーやマルチリフレクターヘッドライトなども装備し、細部に渡りミニカと差異をつけていました。
装備面ではエアコン・パワーウィンドウなど一通りの快適性を確保したほか、安全装備としてエアバッグも標準で装着されていました。
それでいて、1999年12月当時の新車価格は、100万円を切った95.9万円というのも驚きです。
三菱が誇ったGDIによる、最先端低燃費技術のプレゼンテーションを担った意欲作のピスタチオ。
ですが、販売先は主に公益法人や自治体のみで、一般市場には流通しませんでした。
しかも台数はわずか50台という限定車で、発売期間も数ヶ月だったため、現在では「幻のクルマ」のような存在となっています。
街中で見かけたら、宝くじが当たるよりラッキーかもしれません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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