もはや「謎装備」! クルマのワイパーが「ミラー」や「ライト」にもあった!? 意外な役割とは

クルマの装備は、進化の過程で現在とは異なる姿をみせることがあります。何の目的で備わっていたのか、その理由について解説します。

ワイパーが拭き上げるのは「フロントウィンドウ」だけじゃなかった!?

 クルマのワイパーといえば前後のガラスに備わるものと決まっていますが、かつてはそれ以外の場所にも付いていた時代がありました。
 
 何のために備わっていたのでしょうか。

え、そんなところに!? 懐かしい「フェンダーミラー」に備わっていた「ワイパー」[写真は日産「レパード」(F30型)で世界初採用した「ワイパー付フェンダーミラー」]
え、そんなところに!? 懐かしい「フェンダーミラー」に備わっていた「ワイパー」[写真は日産「レパード」(F30型)で世界初採用した「ワイパー付フェンダーミラー」]

 クルマが便利なポイントのひとつとして、雨の日でもぬれずに快適に移動できることが挙げられます。

 その雨粒がガラスに付着すると視界が悪くなるために、クルマには窓ふき器の装着が義務付けられています。

 船舶や機関車などでは、丸い小窓が回転して雨粒を弾き飛ばす方式がみられますが、クルマではワイパーで拭う方式が一般的です。

 ワイパーは、クルマの前だけ、ないしは前後のガラスに装着されます。

 ところがかつては、フロントドアのガラスやサイドミラーにワイパーが装着されていたことがあったのです。

 確かに水滴が付着しなかったら便利だな、と思える箇所ですが、いくら何でもやりすぎでは!? というのが、装備が登場した1980年代当時の人の反応でした。

当然、ワイパー以外にもワイパーを駆動するためのモーターや配線、リンケージなどが必要になります。

部品が重く、費用も意外に高価になることや、一見便利に思えても実際には使用されなかったりして、いずれもすぐに廃れてしまいました。

 なかでもフェンダーミラーワイパー(ワイパー付フェンダーミラー)は、1980年に日産の初代「レパード」が初登場した際に世界初採用されたものです。

 ただしミラーの鏡面のなかの拭き取り面積も狭かったため、実際の効果も疑わしいものです。

 ましてや、ワイパーがついていれば、小さなフェンダーミラーの鏡面がさらに狭くなってしまいます。

 一方サイドウィンドウワイパーは、ドアミラー鏡面を見やすくするためのものです。

 こちらはミラー面を直接拭くものではなく、サイドウィンドウの一部分を拭き取る装備でした。

 1988年デビューのトヨタ「マークII」などで世界初採用されています。

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