日産にもあった!? 超コンパクトミニバン「キューブキュービック」! 今こそ復活を期待したい「まるでソファ」なオシャ内装とは
トヨタやホンダのコンパクトミニバンが販売ランキングの上位に位置するほど人気を集めるなか、日産には同クラスのモデルが存在していません。しかし過去には、とびきりファッショナブルな3列シートモデル「キューブキュービック」がラインナップされていました。
鮮烈「レッド」内装がオシャな「コンラン」仕様も
ファミリー層を中心に根強い支持を集め続ける3列シートレイアウトの「ミニバン」は、各社から様々なサイズのモデルが登場していますが、なかでもトヨタやホンダでは全長4.3m級のコンパクトなミニバンを用意し、好調な販売台数を示すなど注目を集めています。
今はラインナップがない日産でも、過去には同様のコンパクトミニバンがありました。その名は「キューブキュービック(cube3)」。復活を期待したいキューブキュービックについて紹介します。
日産「キューブ」は、コンパクトカーのパワートレインを活用しながら、デザイン性の高い独自の背高ボディを組み合わせた2列シートのコンパクトハイトワゴンです。
そして2002年登場の2代目キューブをベースに全長やホイールベースを延伸し、3列シートをレイアウトしたのがキューブキュービックの成り立ちとなります。
パワートレインは1.4リッターDOHCエンジンのみの設定で、4速ATとエクストロニックCVTが選択可能でした。
ソファを思わせるインテリアに加え、2色の内装色と8色のボディカラーをラインナップし、個性と機能を兼ね備えた左右非対称デザインとともに、内外装ともにファッショナブルな仕上がりを特徴としました。
そしてこのキューブキュービックの歴史のうえで特に注目したいのは、2003年に開催された第37回東京モーターショーに出展されたキューブキュービックのコンセプトカー「キューブキュービック+コンラン&パートナーズ(Cube3+Conran & Partners)」です。
建築やインテリアデザインを手掛けるコンラン&パートナーズは、ファッショナブルな家具や照明、インテリアアイテムなどを扱うセレクトショップ「ザ・コンランショップ」でも知られるイギリス企業で、日産とコラボを組み、キューブキュービックの新たな世界を探求しました。
キューブシリーズの「カドを丸めたシカク」というデザインテーマと、ロンドン発想によるコンランの考える日本の美「丸」との融合を図ったといい、日産社内デザインによる内外装のトータルカラーコーディネーションを表現しています。
ボディカラーはシブい「シャドーグレイ」で、インテリアは対照的に「DDレッド」という鮮烈なカラー。ルーフも明かり取りの大きな窓がとられるなど、市販車ベースながら大きくイメージを変えた内装となっていました。
その後イメージを踏襲した市販仕様として、2004年に「Cube+CONRAN(キューブプラス コンラン)」「Cube3+CONRAN(キューブ キュービック プラス コンラン)」として期間限定で販売。
さらに2006年には「Plus CONRAN(プラスコンラン)」として、「キューブ」(2列シート車)「マーチ」「ラフェスタ」にも同様に期間限定で設定されています。
このようにインテリアにこだわる姿勢は、2008年に実施されたキューブのフルモデルチェンジでも存分に発揮されましたが、残念ながらこの際、3列シート仕様のキューブキュービックは廃止されてしまいました。
全長3900mmと非常にコンパクトなサイズで、3列目席の空間が極めて狭かったことや、スライドドアではなかったことなどが、難点となったようです。
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前出の通り、ライバルメーカーではコンパクトミニバンをラインナップし、ともに売れ筋上位のモデルとなっています。ともに後席にスライドドアを備えるとともに、部屋を思わせる洒落たインテリアを特徴としています。
日産ではMクラスミニバン「セレナ」でこの領域をカバーしていますが、小型なモデルを求めるユーザーの需要を完全に補完するのはなかなか難しい現状があります。
改めてライバルに負けないオシャレな内外装をウリにした、新世代版キューブキュービックの復活を大いに期待したいところ。その際には、ライバル同様の4.3m級の全長と後席スライドドア装備は必須となるでしょう。
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