会社のクルマ、私用で使うのはOK? 「社用車」の私的利用は違法行為? 線引は

企業が業務で使用するために用意している「社用車」ですが、なかには従業員が私的に利用しているケースもあるようです。では、こういった社用車の私的利用は、違法行為に該当するのでしょうか。

「社用車」の私的利用は違法行為?

 一般的に、営業や運搬などといった用途で利用されることの多い「社用車」ですが、なかには社用車を従業員が私的に利用しているケースもあるようです。
 
 では、こういった社用車の私的利用は、違法行為に該当するのでしょうか。

「社用車」の私的利用はどこまでがセーフでどこからがアウト?
「社用車」の私的利用はどこまでがセーフでどこからがアウト?

 社用車とは、個人で所有しているクルマではなく、会社で所有しているクルマの総称であり、特に地方部にある企業などでは、多くの社用車が活躍しています。

 社用車の利用方法は企業によってさまざまですが、一般的には営業や運搬などといった用途で利用されています。

 一方、なかには社用車を従業員が私的に利用するケースもあるようです。そのような場合、なんらかの法律に違反する可能性はあるのでしょうか。

 結論としては、社用車を私的利用する行為そのものが法律違反となることはなさそうです。

 ただ、会社が定めている就業規則に違反する可能性が高く、場合によってはなんらかの懲戒処分を受けることになるかもしれません。

 ある社会労務士の男性は、社用車の私的利用について、以下のように話します。

「企業によっては、職場規律の維持や公私混同の回避のために、社用車の私的利用を禁じる旨の定めを就業規則に規定しているケースがあります。

 この場合、社用車の私的利用は懲戒処分の対象となることがあります」

 つまり、社用車の利用が私的なものと判断された場合、戒告や減給、そして最悪の場合、懲戒解雇となる恐れがあります。

 一方で、社用車を従業員が私的に利用した場合であっても、第三者を巻き込む事故などのトラブルが発生してしまった場合、会社に責任が問われる可能性があります。

 民法第715条には、「使用者等の責任」として、以下のように定められています。

「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

 ただし、使用者が被用者の選任およびその事業の監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない」

※ ※ ※

 このことから、基本的には従業員による社用車の私的利用で発生した事故の責任は、会社が負う可能性があることがわかります。

 さらに、社用車の利用に対して会社側の管理が不完全であったと判断された場合は、従業員が社用車を無断で利用したとしても、会社側に責任義務が問われる場合があるようです。

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