運転手不在でも自動駐車する「自動バレーパーキング」BMWが量産間近!? 日本でも普及する?
ドライバーがいなくてもクルマが自動で駐車してくれる「自動バレーパーキング」について、BMWとヴァレオが共同開発を行います。一体どのようなものなのでしょうか。
自動運転レベル4を使った駐車&出迎えサービスとは?
BMWとフランスの大手自動車部品メーカーのヴァレオは2023年2月14日、「次世代のレベル4自動運転体験の共同開発に向け戦略的協力関係」を締結したと発表しました。
レベル4の自動運転とは、運転の主体がクルマのシステムにある状態を指します。簡単にいうと、運転席にドライバーがいない状態で動く、いわゆる無人運転です。
そう聞くと、量産されるのは「まあ、早くても2030年代に入ってからだろう」とまだまだ先のことだとイメージする人が少なくないのではないでしょうか。
ところが、BMWとヴァレオが公開した情報によると、レベル4自動運転を使った高度なサービスは「近年中に量産する可能性がある」ということが分かります。それが、「自動バレーパーキング」です。
バレーパーキングとは、ホテルなどの施設の正面玄関に着いて係の人にクルマのカギを預けると、その後は係の人が責任をもってクルマを駐車してくれるサービスのことです。これをスマホのアプリで操作し、クルマの出し入れを無人運転で行うのが、自動バレーパーキングです。
BMWには2021年に「iX」で量産化している自動運転ソフトウエアスタックがあり、BMWとヴァレオはこれを基盤として、100人以上の研究開発スペシャリストによって次世代型の自動バレーパーキングの量産化を目指すとしています。
国際標準化機構(ISO)では今後、タイプ1とタイプ2の自動バレーパーキングを設定する見込みとしています。タイプ1はセンサーや制御ユニットなどを車載システムが実行するもの、タイプ2はセンサーや自動バレーパーキングの制御管理システムを駐車場や施設のインフラ側で行うものという考え方です。
このうちタイプ2について、ヴァレオは先日オンラインで行った報道陣向けの技術説明会で、BMWのDingolfing工場とGarching工場の敷地内でのレベル4自動運転を公開。組み立てラインを出た新車が、無人運転で洗車機まで移動して洗車したり、また充電スポットに自動バレーパーキングすると急速充電器がロボットアームのように作動して自動充電する様子が分かります。
このプロジェクトは、自動バレーパーキングのタイプ2を想定した「インフラ協調方式」です。ヴァレオによると、これは2023年1月に発表したヴァレオ、NTTデータ、そしてEmbotechによる、自動バレーパーキングシステムの実現に向けたコンソーシアム「VEN.AI」に関するものといいます。
今回発表したBMWとのプロジェクトとは別のものですが、こうしたインフラ協調によって、BMWとヴァレオによる自動バレーパーキングの研究開発もさらに進み、その精度と安全性が高まっていくものと考えられます。
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