オワコンと言われたトヨタ「プリウス」新型なぜ人気? 世界的に好評の5代目…劇的な復活劇の裏側とは
2022年11月16日に世界初公開され5代目となったトヨタの新型「プリウス」ですが、先代となる4代目では販売低迷となり「プリウス終焉か」と言われる状態でした。しかし、新型プリウスでは、それらの要因を吹き飛ばすほど世界的にも高い評価をされていますが、なぜこれほどまで劇的な復活劇を遂げたのでしょうか。
販売低迷から復活!? 新型プリウスはなぜ売れるのか
トヨタ「プリウス」といえば、同社を代表する看板モデルといえる存在ですが、歴代モデルを通して順風満帆だった訳ではありません。
とくに先代となる4代目では販売台数が大きく落ち込むなどの低調ぶりでしたが、5代目となった新型プリウスはその低迷ぶりを覆すほどの人気を集めています。まさに復活といえる要因とはどのようなものなのでしょうか。
プリウスは、1997年に「世界初の量産ハイブリッドカー」として世に送り出されました。
初代モデルは「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーが与えられ、5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディは、今よりもずんぐりとしたコンパクトなセダンタイプとして登場。
また当時社会問題となっていた環境問題に一石を投じる「エコカー」というジャンルを切り開いたと共に「ハイブリッド車」を普及させる存在となったのです。
その後、2003年に2代目モデルへとフルモデルチェンジ。それまでのトヨタハイブリッドシステム「THS」から「THSII」へ進化したほか、スタイリングは運転席の頭上を頂点として、前後に向かってなだらかに下降させることで、空気抵抗を減らすとともに、先進性を感じさせる“プリウスらしいスタイリング”が確立しました。
この頃から、環境問題に対する声も世界的に大きくなっており、、当時レオナルド・ディカプリオなどのハリウッドスター達がレッドカーペットにプリウスで登場したことが大きな話題となりました。
それと同時に世界に向けて「プリウスは環境に優しいクールなクルマ」として認知されるきっかけとなり、グローバル市場で認知されるようになります。
2009年には3代目モデルにフルモデルチェンジ。ボディサイズが拡大したことに加えて当時の燃費測定方法(10・15モード)において世界トップクラスの38.0km/Lを達成しました。
また日本の新車販売台数史上でも稀な年間販売台数を31万5669台(2010年)、31万7675台(2012年)と30万台超えを2度も記録。
それまで30年以上も販売台数1位だったトヨタ「カローラ」を抜くなど、トヨタの看板車種としての地位を築いたほか、2023年現在でも街中で見かける機会は多い状況です。
2015年に先代となる4代目モデルが新プラットフォームTNGAを採用した第1弾モデルとして登場します。
歴代モデルのシルエットを継承しながらも、重心を下げてアグレッシブなデザインに刷新。さらには当時の燃費測定方法(JC08モード)において40.8km/Lを達成しながらも走りの良さも追求しました。
その一方で、ユーザーからは「歌舞伎顔」とも揶揄された垂れ下がったヘッドライト採用のフロントマスクやリアも縦に伸びるテールライトのデザインが不評でした。
さらにプリウスの代名詞だったハイブリッドシステムが他の車種にもほぼラインナップされ、ハイブリッド車が昔よりも珍しいものではなくなったこともあり、歴代モデルほどの販売台数には及びませんでした。
また2020年以降はプリウスよりもコンパクトで燃費の良いトヨタ「ヤリス」や、コンパクトで使い勝手の良いのホンダ「フィット」、日産「ノート」が登場。
さらには「カローラシリーズ(セダン/ワゴン/ハッチバック)」のフルモデルチェンジや、SUV人気の勢いもあり販売台数は右肩下がりの状態となっていたのです。
当時の販売状況について、トヨタの販売店は次のように話していました。
「4代目プリウスは、2018年12月の大幅なマイナーチェンジを機に検討されるお客さまが増えました。これは、一部から不評だったデザイン面の改善や安全装備の向上が理由に挙げられたほか、プリウス自体にブランドとしての力があるため、指名買いされることも多いです。
しかし、プリウス並の性能かつ最新装備が採用されるカローラや、燃費が良く使いやすいヤリスなど、『プリウスでなければいけない理由』が減ったことにより、相対的にプリウスの販売台数は伸び悩みました」
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このように、プリウスは2代目、3代目で絶対王者としてブランドを確立したものの、4代目ではプリウス自体の魅力や存在価値、そして周辺環境といったさまざまな要因により、プリウスブランドが低迷したのでした。
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